1. まえがき
2022年も迎えてしまい、だいぶサボっていた昨年2021年9月の剱岳の登山記を綴っていきたいと思います。
さて、剱岳を目指した理由としては、シンプルにですが一般登山道としては最も最難関のコースに挑戦してみたいと思っていたためです。
これまで、槍ヶ岳登山や北アルプスの雲ノ平の3泊4日登山などで登山経験を積んできました。その集大成の区切りとして剱岳登山に挑みました。
そして、今回の登山目的は2点ありまして、
1. 剱岳への登頂すること
2. 劔沢キャンプ場からの星景写真を撮ること
の2点が目的でした。
既に、劔沢キャンプ場からの星景写真は天体撮影記 第166夜で紹介していまして若干重複しますが今回も写真を交えて綴っていきたいと思います。
2. 今回のルート及び記録について
今回の記録について
【日時】2021年9月28日~30日
【天候】1日目:曇り時々晴れ、2日目曇り時々雨、3日目:晴れ
【山頂気温】10度前後
【活動時間】 17時間00分
【活動距離】15.4 km
【高低差】 1893m
【登山で掛かった費用】
駐車場代:無料
扇沢〜室堂(往復):9470円
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秋深まる剱岳へ、そして劔沢キャンプ場からの満点の星空を / Starryheavensさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
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3. 剱岳登山記
今回の剱岳登山では長野川の扇沢駐車場→室堂→劔沢キャンプ場→剱岳というコースを歩んで行きました。
深夜に扇沢駐車場の無料駐車場に停めましたが、深夜帯だと駐車場の空きが結構ありました。
ただ、シルバーウィークを過ぎてからの登山なのでそのせいもあってかもしれません。
それでも、無料駐車場は朝までには満車になっていました。
扇沢駅から黒部ダムへ。黒部ダムは何回か観光で訪れたことがあるので今回はスルー
ケーブルカーで黒部平を目指します。
黒部平からロープウェイに乗り大観峰へ。9月下旬となると大観峰の紅葉は少し色づき始めていました。
扇沢駅から室堂までは、関電トンネル電気バス→黒部ダム(徒歩)→黒部ケーブルカー→立山ロープウェイ→立山トロリーバスと4回の乗り継ぎがあります。扇沢駅から室堂までの所用時間は1時間以上かかり乗り継ぎ長野川からだと結構めんどくさいです。
立山の室堂み到着しました。天気は曇り時々晴れで青空が少し雲の隙間から望めるような天気です。
室堂からまずは雷鳥沢へと向かいます。道中チングルマの群生がちらほらありました。
室堂のミクリガ池。朝は逆光なので立山連峰と一緒に撮影するなら午後のほうが良さそう。
雷鳥沢キャンプ場へ
途中地獄谷からの火山性ガスが発生していて、火山性ガスが濃い時は立ち入りが制限されます。
雷鳥沢キャンプ場が見えてきました。雷鳥沢キャンプ場は1泊1000円(協力金)で300張ぐらいの収容数があるそうです。また、予約も要らないので去年のコロナの時期は大混雑したとのこと
立山連峰に登れる拠点になるのと室堂からそう離れていないので一般キャンパーも訪れやすいということでかなり人気のキャンプ場です。
ただ、今回は雷鳥沢キャンプ場ではなく目の前に見えている劔御前小舎を経由して劔沢キャンプ場を目指します。
雷鳥沢キャンプ場を越えるとすぐに小さな橋が見えてきます。渡河をすれば登山道です。
雷鳥沢キャンプ場から劔御前小舎までの標高差はおおよそ500mほど。ただ、今回はカメラ機材+2泊3日の食糧とテント泊装備なので20kg以上の荷物。結構この上りは堪えました…。
紅葉はほぼほぼ全盛期を迎えていました。天気がもう少し良ければ良かったのですが…。
きちんと整備されている歩きやすい登山道です。
ある程度上と室堂や立山連峰の全景が見えてきます。樹林帯の中を歩くのと違って眺めがいいと気分転換になるので気が楽ですね。(実際はきついですけど笑)
劔御前小舎へ到着です。ここまで来れば劔沢キャンプ場までは下りなので一旦小休止を入れて劔沢キャンプ場を目指します。
剱岳は低い雲から顔を出したりまた隠れたりしていました。
劔沢キャンプ場へと向かう道中は常に剱岳が見える素晴らしいコースです。
剱岳は山容が大きくどっしりと構えている姿が個人的には好きですね。
登山道を歩いていると突然轟音と共にF-15が劔御前小舎を超えて現れました。こんなところで見るとは思わず急いで写真に。
恐らく米軍のF-15だと思います。山々の間をできる限り低い高度で飛んでレーダー網を避ける訓練をしていたんじゃないかと思います。
劔沢キャンプ場に到着しました。シルバーウィーク明けなのかテント数も場所も選び放題
というわけで剱岳が目の前に見える場所にテントを張りました。いやー中々ここまでの景色の場所にテントを貼れる場所って少ないんじゃないでしょうか
ちなみに本来だと劔沢キャンプ場も協力金として1000円必要ですが、シルバーウィーク過ぎた後だと管理人もおらず無料開放されていました。
とりあえず1日目の目的地は劔沢キャンプ場までだったので近くを散策
剱岳が目の前に見える剣沢小屋からの景色です。
剱岳の近くには剣山荘と劔沢小屋の二つの山小屋があります。
劔沢小屋は上の写真のように剱岳が常に見える場所なので景色を楽しむなら劔沢小屋
(ただ、剱岳へは少し距離が遠いです。)
一方で、剣山荘は劔沢小屋よりも剱岳に近い位置にあります。ただ、前劔などの山容に隠され剱岳を望むことが出来ません。
個人的には写真を撮るなら劔沢小屋、剱岳登山のみなら剣山荘がいいと思っています。
特に劔沢小屋の近くには小さな池があり、ここから逆さ剱岳も撮れたりします。
もし、次回また訪問する機会があれば個人的には劔沢小屋に泊まって写真を撮りたいですね。
1日目は夜に低い雲が消えてきて星が見えてきました。しかし、ほんの少しの時間だけの晴れてこの後薄い雲が空を覆い結局明け方まで雲が取れず…。
剱岳のモルゲンロート。低い雲があるおかげなのか朝日に照らされて赤い剱岳が浮かび上がっていました。
曇り空ですがアタックザックに荷物をまとめていざ剱岳へ
劔沢キャンプ場から剣山荘まではコースタイムとして30分ほどかかります。
剣山荘に近づくほど剱岳本体が前劔などに隠されていきます。
剣山荘付近も小さな池などがあるのでここらへんから星を撮るのも面白そうですね。
剱岳は剣山荘の後ろにある登山道から登っていきます。
主な鎖場は13箇所あります。最初の1の鎖場は鎖に頼らずとも楽にクリア出来ます。
続いて2の鎖場も同じような感じです。
ここから一服劔までは特に撮影するものがなかったのでスルーします。
一服劔から前劔方面、剱岳まではアップダウンが結構あるので体力が必要です。ちなみによく事故が起こっているのは核心部ではなく上の写真の前劔からの下りです。下山時は足に疲労が溜まっているのと浮石が多く足場が安定していないためだと思います。登りはそうでもないのですが下りで一番怖いと思ったのはやはり前劔からの下山時ですね。
前劔の登山道から劔沢キャンプ場方面の眺め。景色は最高ですが雲が分厚くなってきましたので嫌な予感が…。(この予感が後ほど当たります…)
第4の鎖場、第3の鎖場は見逃した…?撮り逃した?
前劔山頂に到着。ここでようやく剱岳本体が現れました。ただ、まだまだ山頂まで距離があります。そして、核心部ももうちょっと先に
前劔を過ぎてすぐに第5の鎖場が現れます。
断崖絶壁を小さな足場と鎖を頼りに進みます。ちなみに有名な蟹のヨコバイではなく鎖場ですね。しっかり三点指示をしていれば難しくないですが、高度間があるので恐怖感は拭えないですよね。ただ、職場も高度感のある場所での作業もあるので最近は気にせず進めるようになりました。
第6の鎖場は下りの鎖場です。ここも油断せずに下っていけば問題ないです。
鎖場を超えて後ろを振り向けば青空が!頼むこのまま晴れてほしい…。
そして、いよいよ核心部へと入っていきます。
第7の鎖場通称「平蔵の頭」
岩場に打たれている杭に足をかけて登っていきます。
そして、ついに目の前に核心部が!ワクワクと緊張を胸に進んで行きます。
第8の鎖場、特に問題なし。
そして、第9の鎖場通称「カニのタテバイ」です。
先行の登山者が登り切るのを待って登り始めます。ちなみに混雑している時はここで渋滞します。
「カニのタテバイ」も三点支持をしっかりしていれば問題ないですが、一番最後のところでどうしても腕の筋力を使う必要性があります。
「カニのタテバイ」を越えるとあとは浮石に注意しながらがれ場を登っていきます。
そして、ついに念願の剱岳へ…!いやーついにここまで来ました。
遠くに槍ヶ岳なども見えます。長野方面は晴れていましたが富山方面はどんよりとした雲…。
そして、この後雨が降ってきました。そこまで強い雨ではなかったのですが、まさか核心部で雨とは…。岩場が濡れて滑りやすくなるので危険度が一気に上がります。
焦っても仕方ないのでゆっくりと下っていきます。
そして、ついに「カニのヨコバイ」に…。
いやー怖かった…。
核心部を過ぎてもまだまだ危険な箇所があります。
霧で視界が悪くなったせいか雷鳥が目の前現れました。
昨年の雲ノ平から鷲羽岳へ向かう時にも霧の中に雷鳥が現れたので雷鳥にあるなら晴れている時よりも霧のある時を狙ったほうが良さそうですね。
最後の第13の鎖場
これを超えたら特に撮るものがないのでカメラをしまい下山します。
剣山荘で中華丼を頼みました。シーズン過ぎだとこうしたご飯がない場合があるのであってよかったです。
2日目の自分のコースタイムは朝6時に出発して14時に戻ったので合計8時間ほどです。標高差は600m弱です。アタックザックで荷物を軽量化しての登山ですが意外と時間がかかってしまいました。
4. 劔沢キャンプ場からの星々
2日目の夕方も雲あったので星を撮れるか不安でしたが、この後急に天気が回復し無事に星景撮影することが出来ました。
天体撮影記 第166夜と写真が重複してしまいますが、今回の登山記でも紹介していきたいと思います。
劔沢キャンプ場はカール内にあるので夏の天の川の撮影にはあまり向いていません。
ただ、空が非常に暗いので星はかなり見えます。標高も高いのでクリアに見えるのが高山のいいところですよね。
また、オリオン座などの冬の星座は稜線を超えて昇ってくるので狙うなら冬の星座との星景写真を狙ったほうがいいかもしれません。
そして、個人的に星景写真としておすすめなのが北の方角です。
ちょうど、北極星のポラリスが剱岳山頂にあるので、完璧な構図を作りやすい環境にあると思います。
また、劔沢小屋の近くの池では逆さ剱岳と逆さ北斗七星なども撮影出来ちゃったりします。
冬の大三角形も登ってきました。
最近は地上部を別に撮り、星の空を合成している新星景が人気ですが、月明かりのある日を選べば違和感のない写真を撮ることが出来ます。
5. 劔沢キャンプ場から室堂へ
翌朝も快晴になりました。青空とモルゲンロートが美しい
後ろ髪を引かれながら劔沢キャンプ場を後にします。てか、この日に剱岳登れば良かった…と思いますが、結局登ってしまうともう一泊することになるのと台風16号が近くまで来ているので荒天になる可能性がありやめました。
劔御前小舎まで登っていきました。本当はここから立山連峰を縦走しようかと考えていましたが思った以上に体力を消耗していたのと荷物があまりにも重かったのでそのまま室堂へ
ただ、せっかくなので劔御前の山頂を目指すことにしました。
上の写真は奥大日岳と大日岳、そして富山の街並みです。青空の風景が素晴らしいですね。ここで何枚も撮ってしまいました。
劔御前山頂までは劔御前小舎から簡単にいけます。
劔御前山頂からの剱岳も素晴らしいのでここからの星景写真も撮ってみたいですね。
この後は行きと同じような写真が続くので割愛
6. あとがき
念願だった剱岳へ登頂できました。そして、劔沢キャンプ場からの星景写真もイメージ通りに撮影できたので満足のいく山行だったと思います。
今回は、立山連峰の縦走などが体力面、時間面で出来なかったので次回は室堂→立山連峰縦走→劔御前小舎に宿泊して夜は星景写真を撮影する計画なども立てています。
ただ、それはまた関東に戻ってきた時にでも挑戦したいと思っています。
そして、剱岳へと登ったのですが、まだまだ登りたい山がたくさんあります。2022年も色々な山にチャレンジしていきたいです。
それではここまで見ていただいてありがとうございました。
7. その他の登山記