- 1. まえがき
- 2. RF15-35mm F2.8 L IS USMのスペック
- 3. RF15-35mm F2.8 L IS USMの外観画像
- 4. EOS RにRF15-35mm F2.8 L IS USMを実際に付けて持ってみた感想
- 5. RF15-35mm F2.8 L IS USMは星景写真レンズとして最適解なのか?
- 6. 他社ライバルとの比較
1. まえがき
発送自体は26日に行われていたのですが、長崎県までは2日間もの期間を要するので発売日から一日遅れて9月28日にレンズがやっと届きました。
残念ながら、天候不良のために撮影レビューまでは書けなかったのですが、取り急ぎ外観レビューや思ったことを綴っていきたいと思います。
さて、これまで星景写真用レンズとして、多くの大口径広角レンズを購入して使ってきました。
現段階では、SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM ArtとTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDの二本を主に使用して星景写真を撮影してますが、この二本に関しては重さが1kg超えるのと大きさがネックで通常の撮影で使う分にはいいが、旅行時や登山の時では使いづらさを感じてました。
そんな中で2019年のCP+で発表されたRF15-35mm F2.8 L IS USMは画角が15mmスタートでかつ35mmという個人的には使いやすい画角なので非常に期待度が大きく、予約が開始されたらすぐにでも購入するつもりでいました。
発売は個人的な予想では6月~7月あたりに発売されると思っていたが残念ながら9月末となってしまった。増税前には発売するというCanonの思惑は感じるが、この発売時期についてはかなり不満な所がある。6月~7月あたりに発表されれば登山や夏の天の川での撮影に使おうかと考えていたが、9月末だと夏の天の川は沈み登山シーズンも残りわずか(冬山は除く)なので効果を発揮できる機会が少なくなる。
実際のところツイッターでRF15-35mm F2.8 L IS USMを調べて見ると購入している人はほとんどいない。なので、正直言ってこのレンズの発売時期に限っては失敗だったと思っている。最近のCanonの売り方はどれもタイミングは悪いように感じる。(その点、Nikon,Sonyの方が発表や発売タイミングはいいと思ってしまう)
また、RF35mmF1.8の時も発売が12月となりシーズン逃しだったが、今回も発売のタイミングが悪すぎる。ここら辺Canonの販売部門のセンスの無さが表れています。どうにも最近のCanonは一部レンズを除いて魅力的な商品がない。もはやカメラ・レンズ部門に関しては最早力を入れてないように感じてしまう。
と、ごめんなさい話がズレましたが今回の発売までの期間に相当不満が溜まっていたのですよ…。
すみません。というわけで早速レビュー開始です。
2. RF15-35mm F2.8 L IS USMのスペック
RF15-35mm F2.8 L IS USM | EF16-35mm F2.8L III USM | |
レンズ構成 | 12群16枚 | 11群16枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 9枚 |
最小絞り | 22 | 22 |
最短撮影距離 | 0.28m | 0.28m |
最大撮影倍率 | 0.21倍(35mm時) | 0.25倍(35mm時) |
フィルター径 | 82mm | 82mm |
最大径×長さ | 約φ88.5mm×126.8mm | φ88.5mm×127.5mm |
質量 | 約840g | 約790g |
RF15-35mm F2.8 L IS USMはEF時代のEF16-35mm F2.8L III USMの正式な後継レンズの扱いになると思います。
EF16-35mm F2.8L III USMよりもRF15-35mm F2.8 L IS USMは重さが50gも増加している。これは、16mmから15mmになったのとIS(手ぶれ補正)が追加になったからだと思われます。
ちなみにEF16-35mm F2.8L USMが600g、EF16-35mm F2.8L II USMが640gと代を追うごとに質量が増している。レンズの枚数は二代目以降から変わらないのでこれはカメラの高画素化に伴うレンズ素材の質量増しのせいなのかどうなのか気になる所である。
質量に関しては、大まか予想通りの重さに収まっているが個人的には800gは切って欲しかったという思いもある。
後述の他社ライバルとの比較でもここら辺は取り上げたい
長さに関しては、EF16-35mm F2.8L III USMよりも0.7mmほど短くなっているがまあ誤差の範囲内でしょう。
左がRF15-35mm F2.8 L IS USM、右がEF16-35mm F2.8L III USM
比較するとUDレンズが使用されているのは一緒でEF16-35mm F2.8L III USMのレンズ図時にはSWCとASCが記載されていないが搭載はされている。
なので、レンズ構成としては大きく変わったのはISユニットが増設されたのぐらい。それと若干前玉部分が小さくなっている。しかし、EF16-35mm F2.8L III USMでは研削非球面レンズが搭載テクノロジーとして記載されていたのにも関わらずRF15-35mm F2.8 L IS USMには搭載されていないのが気になるところ。
ちなみにお値段はEF16-35mm F2.8L III USMの希望小売価格が299000円だったのに対して、RF15-35mm F2.8 L IS USMは26万円代からと少し値段としては落ちている。
デジカメinfoのコメント欄で高すぎとコメントされているが実際の所は前の代からは安くなっている。
と、最近の環境対策においてのコストも反映されてカメラ・レンズの初動価格が上がっているとの話も記憶が曖昧だがどこからで聞いた。
3. RF15-35mm F2.8 L IS USMの外観画像
箱は黒箱でかっこいい感じになっている。
開封したところ中にはレンズ本体といつもの付属品であるレンズフード、レンズポーチが入っていた。
レンズ本体としては最初に箱から取り出した時は、思っていた以上に意外とレンズ自体大きい印象を感じた。CP+だと結局実機は触れなく少し遠目から見ていたので正確な大きさ等はわからなかったってのもある。
フードはこれまでのCanonの広角レンズ対応のフードだ。登山の時はレンズ保護のためにフードも付けておいた方がいいかもしれない。
ズームのところは、段差みたいなのが設けられているが、ズームを回す際に非常に扱いやすくなっているように感じた。
15mmの画角の時は全長が若干長くなる。
一方で35mmの時は全長が短くなる。
正直、インナーズームにして欲しかったなぁと思うがそうなると全長が伸びる設計になるんだろう…。
レンズの前玉は、出目金レンズではなく82mmのフィルターが付けられる。
画角が15mmから35mmまでのレンズはRF15-35mm F2.8 L IS USMしかなく、フィルターが付けられるレンズは今のところはこのレンズならでは。
レンズを傷つけたくない場合は82mmのレンズフィルターを付けて置いた方がいい。一応自分も購入した。
Kenko 82mm レンズフィルター PRO1D プロテクター レンズ保護用 薄枠 日本製 252826
- 出版社/メーカー: ケンコー(Kenko)
- 発売日: 2004/04/22
- メディア: エレクトロニクス
- 購入: 1人 クリック: 5回
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そのためか後ろ玉の部分にはレンズホルダーが装備されていない。正直のところ背面にLeeのソフトフィルターを入れたかったのでレンズホルダーは搭載して欲しかったのが本音である。
続いてレンズの比較となる。現在手元にある広角レンズは、SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM ArtとTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDなのでそれを並べてみた。
RF15-35mm F2.8 L IS USMを15mmまで伸ばすと実際のところ、全長はタムロンとそう変わらない。フードを付けてしまうとTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDよりも長くなるのはちょっと想定外だった。
一番全長が短いのはSIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Artとなる。
しかし、重量に関しては、SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Artが1,150g、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDが1,100gで、RF15-35mm F2.8 L IS USMが840gなので200~300gの軽量化となる。
画角はTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDよりも5mm伸びているので実際の重さ的にはスペックからしたらかなり軽いレンズになるだろう。
ただし、16mmスタートの35mmのEFレンズ時代の画角そのままにして更に軽量化を計かり600g近くになった方が嬉しい人も多かったとはずだ。ただ、RFレンズの開発方針としては恐らく運用上の利便性よりも世界初的なところを優先して開発した思惑も感じざるおえない。
4. EOS RにRF15-35mm F2.8 L IS USMを実際に付けて持ってみた感想
RF15-35mm F2.8 L IS USMをEOS Rに付けて実際に持ってみたところボディとのバランスは非常に良く違和感を感じない。しかしながら、かなり軽いEOS RPだと重心がレンズ側になってしまいちょっと扱いにくいかもしれない。
比較として500円玉を置いてみた。
EOS 5DMarkⅢにTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDをつけるとミラーレスカメラの方がやはりコンパクトにまとまる。
今後、デジタル一眼レフカメラの時代は1D系を除いてミラーレスカメラに移っていくのを感じさせられる。
5. RF15-35mm F2.8 L IS USMは星景写真レンズとして最適解なのか?
星景写真レンズとしては、15mmスタートで35mmまで扱えるので現状発売されている超広角レンズの中では構図作りとしては、星景写真撮影用レンズとしてトップなのは間違いないと思います。
(ただし、現状実写レビューは行えていないので今後ここは変わるかもしれない。)
しかし、登山や山の上で星景写真を撮影する際は重すぎるのでこの後紹介するタムロン 17-28mm F/2.8 Di III RXDが今のところ最適解となる。と、言っても体を鍛えて重い荷物を持てるようにすればいい話なんだけどね…。
6. 他社ライバルとの比較
おまけとなるが、他社ライバルとの比較で、同じくミラーレス専用レンズの大口径F2.8について取り上げたい。といっても現状だと全てソニーEマウント用のシグマ、タムロンしか比較対象としてあげられない。
6.1 SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN
SIGMA 大口径超広角ズームレンズ 14-24mm F2.8 DG DN | Art A019 SONY E-Mount用 フルサイズ対応 ミラーレス専用 213657
- 出版社/メーカー: シグマ(Sigma)
- 発売日: 2019/08/31
- メディア: エレクトロニクス
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現在使用しているSIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Artのミラーレス版のレンズである。
SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Artの質量が1150gに対して、SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DNは795gと驚くほどの軽量化となっている。流石にここまで軽量化できるとは思っていなかったので発表当時は「嘘だろうおい!」って思わず声が出たほどである。
また、値段も14万円代とソニー純正よりかなりお安いので今後ソニー使いの星景写真用レンズとして多くの人に使用されそうだ。
とりあえずシグマのレンズに対しての戦略は画質重視の重さから軽量化にも力を入れようとするところも見て取れる。Canonはどうもここら辺をしっかり考えられていないと思う。
現在の所はLマウントとEマウントしか発売されていないが将来的には、CanonのRFマウントやNikonのZマウント用も発売されると予想している。
6.2 ソニー FE 16-35mm F2.8 GM
ソニー SONY ズームレンズ FE 16-35mm F2.8 GM Eマウント35mmフルサイズ対応 SEL1635GM
- 出版社/メーカー: ソニー(SONY)
- メディア: エレクトロニクス
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ソニー純正の広角レンズのFE 16-35mm F2.8 GMはお値段は高いが質量は680gと軽くまた、画角も16mmスタートで35mmとRF15-35mm F2.8 L IS USMのライバル的な存在となる。重さを考えるとFE 16-35mm F2.8 GMの方が有利だが広角レンズでの画角15mmと16mm差は結構大きい。
6.3 タムロン 17-28mm F/2.8 Di III RXD
タムロン 17-28mm F/2.8 Di III RXDF(Model:A046)※ソニーFEマウント用レンズ(フルサイズミラーレス対応) 17-28F/2.8DI3RXDA046
- 出版社/メーカー: タムロン
- メディア: エレクトロニクス
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広角端17mmさえ気にしなければ質量は420gしかないので恐らく登山レンズとしてかつ山岳星景レンズとしては最早この手のレンズの前に出るレンズはいないだろうと思っているほど素晴らしいレンズだと思っている。
このレンズを使えるとソニー使いは羨ましさはある。