1. ネオワイズ彗星とは
ネオワイズ彗星とは赤外線観測衛星NEOWISEによって今年(2020年)に発見された彗星になります。他にもネオワイズ彗星と名付けられた彗星は多くあるので「ネオワイズ彗星(C/2020 F3)」という風に呼称され区別されています。
発見は3月27日で6月段階の記事では、3等前後まで明るくなるのではないかと予想されていました。しかし、近日点を通過後に予想よりも明るくなったことにより7月の初っ端には1等級もの明るさとなりました。
目視できる彗星としては、2007年のマックノート彗星、その前を遡ると1997年のヘール・ボップ彗星、1996年の百武彗星まで遡ります。2007年のマックノート彗星に関しては南半球メインだったので日本で目視観測できる彗星としては23年ぶり。
マックノート彗星,ヘール・ボップ彗星,百武彗星はどれも素晴らしい彗星だったので見たかったのですがこの頃はまだ幼く彗星に関しての興味がほとんどなかった頃です。(惜しいことをしている)
7月15日頃までは早朝の低い高度にしか見えなかったネオワイズ彗星でしたが、7月16日以降は夕暮れ空にも見えるようになったので観測がしやすくなりました。
地球への再接近は2020年7月23日頃ですが、段々と暗くなるので目視での観測は双眼鏡を使わないと厳しいかもしれません。
彗星と言えば「君の名は」をイメージされる方が多いと思いますが、彗星の核が大きくて、地球にかなり接近してない限りはあのようには見えないです。
2. 梅雨の晴れ間、夕焼け空に浮かぶネオワイズ彗星
梅雨前線が鹿児島まで下がったことにより、九州北部地域は晴れ間が広がりました。
それでも湿度が高い状態だったので大気の状態としては悪い方です。
最初のネオワイズ彗星とのランデブー
日没後50分後ぐらいから撮影することが出来ました。まだ、残照残る夕焼け空の中でもダストテイルがはっきりと写っているので相当明るい彗星だということが感じさせられます。
なので、ネオワイズ彗星を撮影できたことに感動を覚えました。
トリミングはしているもののある程度の広角レンズでもはっきりと彗星と分かるほどです。
これまで、アイソン彗星、ラブジョイ彗星、ウィルタネン彗星なども撮影に挑戦してきましたがダストレイルをはっきりと撮影出来たので今回のネオワイズ彗星が初めてとなりました。
欲を言えば薄曇りではなく、快晴の空で撮影したかったのですが梅雨の時期に撮影できただけでも運が良かったかもしれません。
22時前には沈みかけでした。撮影時間はわずか1時間半ほどしかありません。
今後日が経つにつれ高度は上げていくのですが、だんだんと暗くなっていくのでここまではっきりと写せるかの保証は無くなってきます。
2日目に長崎県の生月島から撮影したネオワイズ彗星になります。
今回はダストレイルまでの撮影は出来ましたがイオンテイルに関しては空が完全に暗くなる前に薄雲の中に彗星が隠れてしまったので撮影出来ませんでした。
3. 彗星の撮影方法 (今後のための自分メモ)
今回撮影した「ネオワイズ彗星」についてですが、焦点距離は35mm,135mmで撮影しました。きちんとした彗星撮影は初めてだったので、かなり手探り状態での撮影になりました。
もうちょうど素人レベルですが一応メモ
1. 35mmの場合は広角で風景を入れて、「ネオワイズ彗星」と一緒に撮影
この時のカメラの設定は、シャッタースピード4秒、ISO1600、F2.8で撮影しましたが、広角なのでもう少し長秒にしても良かったのではないかと思っています。
2.135mmの場合は、「ネオワイズ彗星」は高度がある時は単体撮影、高度が下がってきたら風景と絡めての撮影。
この時のカメラの設定は、シャッタースピード2秒、ISO1600、F2.0
赤道儀を使って何枚か撮影して合成すれば良かったなぁと後悔しています。
そして、もうちょっと露出を撮ればネオンテイルとかも写せたんじゃないかと。
他の方の撮影データを見てみるとISO3200まで上げてSSも5~6秒ほどで設定しているので次はそのぐらいで撮影したいと思います。
7月下旬までチャンスがありますが、月の影響を受けないのはもって後数日…それまでにちょっとでも晴れてくれればいいんですが…。
4. あとがき
梅雨の晴れ間に何とか何とかネオワイズ彗星を撮影することが出来ました…。ここからまた、梅雨空が続きますが、再びチャンスがあれば撮影したいと思っています。
今回はかなり明るい彗星となりましたが、彗星についてはわりと直近に発見されるものが多いのでもしかしたら来年にネオワイズ彗星を超える大彗星も現れるかもしれませんし、再びネオワイズ彗星レベルの彗星は何十年も現れないかもしれません。そのため、見れる時には見る、撮れるときには撮るという気持ちが大切かもしれません。