2018年の12月中旬頃に「ウィルタネン彗星」が4等台の明るさとなり見ごろを迎えます。
彗星といえば2013年の「アイソン彗星」が大彗星となるのではないかと話題に上がっていましたが、結局の所は彗星核が小さく太陽に近すぎたために核が崩壊して散々な結果に終わってしまいました。
今回のウィルタネン彗星は、12月中旬頃に3等級台までの明るさになると予想されています。彗星の予想は難しく、もしかすると更に明るくなって街中で肉眼でも見えるかもしれません。(まあ、可能性はかなり低いですが…)それと残念ながら「君の名は」みたいな彗星にはならない。
いやこういった彗星もしあるなら見てみたい…!
話は戻りますが、ウィルタネン彗星の予想されている3等級台の明るさは下の写真の赤丸印の「ぎょしゃ座θ星」ぐらいになります。
意外と写真上だと3等級台でも明るく見えますが、上記の写真撮影場所は群馬の愛妻の丘という空が暗いところなので、東京や神奈川などの関東圏だと観測は難しいかもしれません。
1. ウィルタネン彗星について
1948年にカール・ウィルタネンが発見した彗星で、よく耳にする「ヘール・ボップ彗星」や「百武彗星」などの長い年月をかけて回帰してくる長期彗星ではなく、5.4年周期で回帰する彗星で、彗星核の直径は1.2kmとされている。彗星核については、「百武彗星」が核の大きさが2.0kmだったのでウィルタネン彗星も大きく増光する可能性もありそうな気がするがどうなのかはこれからのお楽しみかもしれない。
2. ウィルタネン彗星の撮影に関して
彗星に関しては明け方や夕方の空に見られる場合が多くてなかなか露出時間やF値に難儀しますが、今回はウィルタネン彗星は彗星の中では珍しく一晩中撮影できます。
今回の撮影方に関しては広角レンズと望遠レンズを使用した撮影方法に関してです。
2.1 広角レンズで彗星を撮影する場合
仮に3等級台よりも明るくなった場合には、星景写真と同様に広角レンズで地上の風景と一緒に写し撮ることが可能になります。
その時の撮影の設定についてに関しては
にしておけば撮影できると思います。
実際に12月9日に茨城県 大洗の大磯の鳥居で撮影したウィルタネン彗星と星景写真が上記のようになります。設定に関しては、露出時間が15秒,F値2.8,ISO5000で撮影しています。もちろんそのあとはPhotoshop LRで補正しています。
撮影場所は茨城県の大洗町と光害が多く空が明るい中での撮影でしたがどうにか写りました。実際もっと暗いところで同様の設定で撮影すれば淡い青色の彗星が綺麗に映ったと思います。
2.2 望遠レンズで彗星を撮影する場合
画角としては、100-200mmがあれば十分に彗星を写し取ることができると思います。
本来だと赤道儀で追尾撮影する方法が基本的に取られますが今回は、赤道儀を使用しない場合についての露出時間を考えて見ます。
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彗星が太陽に近づくほどに彗星のスピードが上がっているので長時間露光だと赤道儀で追っていても彗星がブレてしまいます。(彗星の動きは固有のものなので)
なので、基本的には露出時間は短めにします。最近のデジタル一眼レフだと高感度に強いものが多いのでISO感度をノイズが考慮できるレベルまで上げて(現在発売されているフルサイズカメラだとISO10000でもいけるはず…!)露出時間は1~2秒ほどとかなり短い時間にします。(ここら辺は何枚か撮影して決める)
レンズのF値は最も明るくする。
まとめると
ちなみに撮影したものがこちら
一枚撮りになります。設定に関しては、露出時間が1~2秒ほど、F値:1.8、ISO10000で撮影しています。
レンズはしばらくの間防湿庫の肥やしになっていた以下のレンズ
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Photoshop LRでかなり補正したので少々目も当てられないような感じになっていますが青く淡い彗星が撮影できました。これから更に増光しておけばもう少し綺麗なのが撮影できるかもしれません。
とまあ、一枚撮りでもなんとかなります。
4. ウィルタネン彗星が見える方角について
ふたご座流星群あたりだと東南東のアルデバランの上あたりでウィルタネン彗星を見つけることができると思います。
写真だと黄色の丸あたりでスバルの真下を探せば見つかるはず!
5. ウィルタネン彗星がもたらすもの
最後になりますが、流星群の元って彗星じゃん?だとすると短周期のウィルタネン彗星のダストも流星群になるのでは?と思い調べたところ
2012年のアストロアーツの記事で、ウィルタネン彗星のダストが12月10日〜14日に交差すると書いてある。流れる方向はうお座を中心とするので、ふたご座からではなくうお座から流れる流星はもしかするとウィルタネン彗星のものかもしれない。
が、2012年時点の情報なので現在も見られるかは不明だ。
色々調べましたが勘違いによる間違い等ありましたらご連絡のほどお願い致します。