最初に五島列島中通島と若松島に訪れようとしたのはふとした思いつきだった。
本来であれば天候の安定する梅雨明けに天体撮影目的に訪れようと考えていたが、偶然前日に翌日は仕事が休みとなることがわかりならばこの際五島列島のヒメボタル撮影に訪れてみようという行き当たりばったりな計画である。
レンタカーは前日に確保できたのも大きい。もしレンタカーが確保できなければ別の場所に出かけていただろう。(ミヤマキリシマ撮影に再び平治岳に行ってたかもしれない。)
五島列島の中通島と若松島へ向かう。
五島列島へと向かう港は長崎港、佐世保港、そして一応博多港がある。今回利用したのは佐世保港だ。
佐世保港と中通島の「有川港」へ向かう航路は九州商船が運用する高速船「びっくあーす2号」と「シークイーン」そして、「フェリーなみじ」の3通りの船がある。
かつては、五島産業汽船の「フェリーありかわ」もこの航路を結んでいたが、2018年の五島産業汽船の経営破綻により2019年現在この航路は運行されていないので注意が必要である。ネットで検索すると未だにこの航路の紹介がされているので自分も間違えてしまっていたが、船に詳しい知人に念のため聞いたので何とかことなきを得た。
確かに引っ越す前にニュースで経営破綻したというのはちらっと耳にしたことを覚えていたがまさかこっちの方に引っ越すとは思っておらずすっかり頭から抜け落ちていた。
高速船よりフェリーの方が値段は安い。そのお値段はフェリーだと大人の2等利用で片道で2840円、高速船だと4860円となる。2000円の差があるがいち早く島に着きたい場合は高速船を利用するのがベストだ。フェリーだと2時間35分かかるが高速船だと1時間25分と半分の時間で済む。
しかしながらフェリーの出発時間は一番早いので8:00出港の10:35着港、高速船だと8:40出港の10:05着港なので差は30分しかない。早起きできるなら「フェリーなみじ」の方が断然お得だ。
時期により船の運賃や運航時間が変わるので九州商船のHPで前もって確認しておいたほうがよい。
さておき今回は8:00出港の「フェリーなみじ」での船旅となった。
なお、今回の記事の写真は少し平成初期っぽい感じの現像スタイルにしている。というかこっちの方が何だか味が出ており旅っぽい雰囲気があるような気がする。
「フェリーなみじ」は1987年に就航した船なのでもう昭和→平成→令和と元号をまたぎ30年以上の艦歴を持つ船でもある。船内も昭和末期から平成初期の名残を残しどこか懐かしい雰囲気を味わえる船かもしれない。
2等客室は雑魚寝の船室となっている。乗客は自分を含めて15人程度。オフシーズンで一番早い便なので観光客よりも島の人が多かった。
そして、曇天の空の下いよいよ出港だ。
この航路で面白いのが海上自衛隊佐世保基地を船から見ることができることだ。
目の前の艦の番号「DD157」なので調べてみると「さわぎり」という船だそうだ。
タイミングが合えばヘリ護衛艦の「いせ」も見ることができる。
徐々に佐世保港を離れてゆく。
右側には佐世保重工業と米海軍の佐世保基地をも見ることができるので艦船好きな人には堪らない航路かもしれない。
また、途中補給基地も見ることができるがこれは防衛上大丈夫なのかと心配にはなるところだ。
燃料補給のためか一隻こちらにやってきた。艦番号は「DDG172」の「しまかぜ」。この後タグボートに導かれて燃料補給を受けるのだろうか?最後まで見ることはできなかった。
今まで曇天の中での撮影は避けていたが、写真の現像の色合いを変えると面白いほどに味のある写真となるように感じられた。食わず嫌いはよくないということか。
有川港を7時に出港した「びっぐあーす2号」とすれ違う。奥に見える三本の柱は「針尾無線塔」といい旧日本海軍の軍遺構となっている。「針尾無線塔」の存在感は本当にすごいと感じざる負えない。
この後五島列島沖に出るがここでも海上自衛隊や米海軍の艦船を眺めることが出来るので飽きない。ただ、さすがにずっと外に出ているとこの後の撮影に響くので船内に戻った。
ちょっと朝が早かったのでうつらうつらしていて気が付いたら有川港についていた。
独特の船型を持つ「マリンライナー」は長崎畝刈(あぜかり)と有川港⇔小値賀島⇔宇久島を結ぶ航路の船となっている。
有川港では、船のターミナル口が備え付けられているので天気が悪くても雨に濡れる心配はない。
船を降りて早速腹ごしらえとして「うどん茶屋遊麺三昧」で五島うどんを食した。
五島うどんは讃岐うどん、稲庭うどんに並び「日本三大うどん」の一つだがあまり知名度はない。著者も五島列島について調べるまで知らなかった。
麺の太さとしては、太麺ではなく細麺で独特のうどんだった。普段太麺のうどんばかりなので少し新鮮だ。奥にある揚げ物はくじらの串カツだ。クジラ肉は人によっては美味しくないというが普通においしかった。
中通島と若松島島内巡り
レンタカーを借りて夜まで時間があるので少々島内巡りを行う。しかし、上記のgoogle mapを見てもらえればわかるが島の端から端までを探索しようとすると移動だけでもとてつもない時間がかかってしまう。現に今回移動でほとんどを費やしてしまったのであらかじめ行くべきところは決めておいたほうがいいと思った。(まあ、そもそも行き当たりばったりなので…)
とりあえず若松島のさらに向こうにある「日島」まで車で移動してみた。
この場所が日島で車で行ける最も端っこの場所である。まあ、漁港があるだけで何もない。観光客もおらず自分ひとりのみだった。
ただ、海は美しく、晴れていれば素晴らしい青い海がみれたのではないかと思おう。
また、上の写真じゃわかりにくいが綺麗な熱帯魚も泳いでいた。
日島にあるバス停。利用者がいるのか?と思われがちだが偶然バスが来ており小学生ぐらいの男の子が利用していた。レンタカーではなくバス旅でのんびりもありかもしれないが人を選びそうだ。
日島には日島石塔群というものもある。この場所も誰もおらず不思議な雰囲気が漂っていた。
曇りなのは残念だが、本当に美しい海が広がっている。
この島の雰囲気が好きだ。
天体撮影記第97夜で紹介したカトリック中ノ浦教会だ。本来、湾内が穏やかであれば水面に反射した教会を見ることができるが残念ながら昼間には見ることできなかった。中通島全土には教会が29か所も存在している。
写真は少々少ないが次から目的のヒメボタルについてだ。
ヒメボタル舞う五島列島
これまでヒメボタル撮影では、岐阜県、埼玉県の秩父、そして秘密の場所だが千葉県を訪れてきた。毎年のように撮影していたので今年も撮影したいなと思い検索をかけたら意外にも五島列島にもいることがわかった。
ならば行ってみようということで場所を特定し、向かったのが今回の旅の始まりでもある。
五島列島のヒメボタルは、活動時間がゲンジボタルと同じく夜の20時からとなる。関東圏では深夜帯に対してこちらは日が暮れてすぐである。どうやら西日本のヒメボタルは早い時間帯に活動するそうだ。
ヒメボタルの撮影地として知られている場所のほとんどは多くの撮影者で賑わっているが場所は私と地元の写真家のみだった。まあ、船でわざわざ五島列島まで来て撮影する人なんてそうそういないだろう。ただその分じっくりと人を気にせず撮影できるのでうれしい限りだ。
しかしながら、少し時期が遅かったみたいでそこまで多くの数のヒメボタルは飛ばなかった。ピーク的には5月末が一番良いそうだ。さておき、ヒメボタルの活動時間は20時から21時の1時間と非常に短い。秩父では深夜帯ずっと光っていることが多く色々な構図を試すことができたが、ここでは21時以降になるとほとんど飛ばなくなるので撮影チャンスは少なくない。また、雨の日などは飛ばないので天気もきちんと確認しないと何も撮れないなんてこともありえるかもしれない。
境内を飛ぶヒメボタル。不思議とヒメボタルは神社などに多いイメージがある。これは開けている場所だからなのかそれとも神社は人が訪れることがあるのでそれで誰かが気がつきスポットとして有名になるのか果たしてどちらなのだろうか。
そんなわけで今回の中通島と若松島の旅、そしてヒメボタル撮影の記事を締めたいと思う。もうちょっとヒメボタルの写真を色々な構図で撮影したかったので来年この島もう一度訪れたいと思う。
それでは
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