1. まえがき
天体撮影記 第127夜は、長崎県にある2001年に炭鉱が閉鉱した池島を訪れてきました。
池島は恐らく廃墟や廃炭鉱好きな人にとってはかなり有名な島になります。自分も人士絵でいつかは訪れてみたかった島になります。
そして、池島の廃炭鉱と星空の組み合わせも狙う夢がありましたので、今回はその夢が叶い、最高の条件で星空を撮影することが出来ました。
昼間に撮影した写真については、また別の記事にまとめようかと思っています。
2. 池島について
池島について、簡単に紹介します。池島は長崎県長崎市に所属している島で、かつて7700人ほどまでの人口が2001年に池島炭鉱が閉鉱になってしまい今や129人となっています。島全体には炭鉱マンが住んでいた廃アパート群や廃炭鉱の機械類が当時のまま残されています。
長崎県で同じく廃炭鉱で有名な軍艦島は上陸後ルートが決まっており、廃墟に近づくことが出来ませんが、池島ではかなり近くまで廃アパートや廃炭鉱を当時のまま見ることができるのでかなり面白いところです。
今回はトロッコ列車で旧鉱に入るツアーや廃アパートに入れるツアーに参加しましたが、普段見れない光景を見れるので池島を訪れる際には是非参加してみてください。
一方で、池島までのアクセスが悪く、佐世保からの船か神浦港、瀬戸港までバスなどで向かわなければなりません。そのせいか休日でも観光客はかなり少ないです。
一番いいのは長崎空港などでレンタカーを借りて瀬戸港や神浦港まで行きレンタカーを船に乗せて池島へと向かうのがオススメです。島自体はかなり小さいのでレンタカーがあればあっという間に一周出来ますが廃墟をじっくりと観たい方は車を無料駐車場にある神浦港に停めて、池島に上陸し、歩いて巡るのがいいと思います。
3. 池島周辺の空の暗さ
池島周辺は海に囲まれているので目立った光害はないものの、南東側では長崎市内の光害、北側は佐世保の光害の影響を受けます。【天体撮影記 第126夜】の伊王島大橋みたいに上り始めた天の川だと長崎市方面の光害をもろに受けるので、撮影する場合はある程度天の川が上がってきてからの方がいいです。が、今回はそれのせいで大火球を逃すという失態をしているので常に撮影はしておいた方がいいかもしれません…。
4. 長崎県 炭鉱の島、池島の廃炭鉱と変わらぬ星空
「沈むオリオン座と今は使われていない火力発電所跡」
島には海底ケーブルで電力が送電されていたが、台風などの災害でその電力が来なくなった時に備えて、石炭の火力発電所が建てられた。
「沈むオリオン座と宵の明星とトロッコ」
「池島県道216号線から見上げる冬の天の川」
「取り残されたジブローダ用の移動用レール跡と変わらぬ夜空に広がる星空」
ちなみにこの撮影をしている最中にふと後ろを振り返ると大火球が流れるのを目撃した。
鳥肌が立つほどの大火球で、思わず「あぁああぁあ」と声を漏らした。大人しく天の川方面にインターバル撮影をしておけばよかったと思うがまだ天の川が上り始めだったので撮る気がそこまで起きなかったものある。
「夜釣り人と夏の天の川」
池島は観光客よりも釣り人が多く訪れる島だ。夜釣りの人を多く見かけた。
光害は時津町や長崎市からのだと思われるが、歩い程度天の川が上れば撮影できる。
35mmで撮影しているが50mmぐらいで撮影して、天の川背景に大角力と母子島をアップで撮るのも面白いかもしれない。
「ジブローダ用の移動用レール跡と天の川」
「池島県道216号線と夏の天の川」
「池島の石炭集積所跡へ昇ってゆく天の川」
歩きながら色々と構図を変えながら写真を撮ってゆく、石炭集積所跡を照らしているのは港にあるライトによる影響だ。やや黄緑色になる。
「石炭を石炭船に積み込むジブローダーと夏の天の川」
35mmの画角で石炭を石炭船に積み込むジブローダーと夏の天の川を撮影した。
かつてはこの集積所に大量の石炭が溜め込まれていたが、現在その面影が見られるのはジブローダーぐらいだ。
夏の天の川がここまで上がれば光害の影響はほとんど受けなくなる。
「石炭を石炭船に積み込むジブローダーと夏の天の川(縦構図)
「ジブローダーと明け方の空に浮かぶ夏の天の川」
池島で撮影しようと元々考えていた構図がこのジブローダーと夏の天の川になる。
撮影場所は道路の端っこだが夜間の車通りはほぼ皆無といっても差し支えないほどなので安心して撮影できる。
「石炭を石炭船に積み込むジブローダーと北斗七星」
「石炭を石炭船に積み込むジブローダーと暁月夜」
ジブローダの先っちょに二十七夜の月を配置した構図
結構お気に入りの写真です。
追記:池島のタイムラプス動画をアップしました。
5. あとがき
池島の夜空は暗く、池島の廃炭鉱と星空を見ていると初めて訪れるのにノスタルジーな気分になる。
炭鉱が閉山して20年の月日が経ち機械類はサビついてきている。また、コンクリートの建物以外も今後いつまでも持つかわからない。そういうことを考えるとこの風景が撮影できるのは意外と僅かな時間しか残っていないかもしれない。
6. 勝手に撮影地ランキング
撮影地の環境:☆☆☆☆
空の暗さ:☆☆☆☆☆
駐車場というより観光用に作られたスペースに停めることができます。
トイレも歩いて数分の所にあるので、長時間過ごしやすいです。また、交通量も少ないので夜間でも比較的安全に撮影できるスポットでした。
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