カメラと星景写真の日々

まだ見ぬ星景写真を求めて

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星撮りに使えるか? Irix 15mm f/2.4 Fireflyの性能調査とTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (旧型)と比較してみた。

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目次

 

1. 前置き

ちょっと天体撮影での待機時間に余裕があったので持ってきていたIrix 15mm f/2.4 FireflyとTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDを比較してみました。

一応、レンズレビューの続きの記事となります。

starryheavens.hatenadiary.jp

 

2. Irix 15mm f/2.4 FireflyとTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (旧型)の比較

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(写真① Irix 15mm f/2.4 Firefly:ISO 2000, F2.8, 15s ,15mm)

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(写真② TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD: ISO 2000, F2.8, 15s ,15mm)

Irix 15mm f/2.4
TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD

左:Irix 15mm f/2.4 Firefly、右:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD

※上の写真を見やすいように並べたものになります。

ISO感度、露出時間その他諸々の設定は全て同じ設定で撮影してます。若干、構図がズレてしまっていますが三脚を少し移動したせいです。

こうして比較してみると本当に気づくことがたくさんですが、まず第一にTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDのレンズとしての性能が良いことがよくわかります。

Irix 15mm f/2.4 Fireflyは、周辺減光落ちが激しいことがわかります。また、上の隅ではサジタルコマフレアが発生していたり周辺画像が流れていたりしています。

更に今回は月明かりのあるもとで撮影していたところ写真①のようなゴーストが出ていることがわかりました。なので、月明かりがある明るい光源下のあるところだとIrix 15mm f/2.4 Fireflyはやや扱いにくいレンズだと感じました。

ただ、面白いのがIrix 15mm f/2.4 Fireflyの写真では明るい星がTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDよりも目立っておりややメリハリがはっきりしています。こうなる理由については不明ですが…。

 

続いてTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDなんですが、このレンズの優秀具合といったらまったく…。

TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDはIrix 15mm f/2.4 Fireflyに比べ開放F2.8でも周辺減光落ちは緩くまた、小さな星々も解像されています。何より恐ろしいのが出目金レンズなのに出目金レンズではないIrix 15mm f/2.4 Fireflyよりもゴーストやフレアが抑えられている事です。さらに、周辺隅のサジタルコマフレアもほとんど出てない点もこのレンズの素晴らしさを語っている部分になります。

TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDは2014年の発売から4年も経過しているのですが今だに現役でトップレベルの星景写真レンズだと思っています。

3. Irix 15mm f/2.4 FireflyでF値の比較 F2.8, F4, F5.6, F8の比較

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(写真③ Irix 15mm f/2.4 Firefly:ISO 2000, F2.8, 15s ,15mm)

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(写真④ Irix 15mm f/2.4 Firefly:ISO 3200, F4.0, 15s ,15mm)

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(写真⑤ Irix 15mm f/2.4 Firefly:ISO 6400, F5.6, 15s ,15mm)

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(写真⑥ Irix 15mm f/2.4 Firefly:ISO 6400, F5.6, 15s ,15mm)

上の写真4枚はIrix 15mm f/2.4 FireflyのF値をF2.8,F4,F5.6,F8と変化させたものになります。また、F値の他に露出を保持のためISO感度を上げていっています。

4枚を比較すると周辺減光に関してはF4やF5.6まで上げていくとだいぶ改善されていくことがわかります。それとF8まで絞っていくと月の灯りの光芒が鋭くなっていくこともわかりますね。

 

続いて隅の様子について

下の写真四枚は上の写真の右隅を拡大したものになります。

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(写真⑦ Irix 15mm f/2.4 Firefly:ISO 2000, F2.8, 15s ,15mm)

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(写真⑧ Irix 15mm f/2.4 Firefly:ISO 3200, F4.0, 15s ,15mm)

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(写真⑨ Irix 15mm f/2.4 Firefly:ISO 6400, F5.6, 15s ,15mm)

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(写真⑩ Irix 15mm f/2.4 Firefly:ISO 6400, F5.6, 15s ,15mm)

4枚横並び比較

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左:F2.8 右F4.0

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左:F5.6 右F8.0

こうして比較してみるとF2.8の開放では、周辺流れそして、サジタルコマフレアで星の像がやや不安定なのが確認できます。

ただし、F8.0まで絞れば改善され星は点像で写し撮る事が出来ました。ただ、天の川撮影とかだと基本的には開放F2.8で使用するので星を点像として写し撮れないのが残念なところ

 

4. まとめ

Irix 15mm f/2.4 FireflyとTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (旧型)を比較しましたが、値段の差なのか技術力の差なのか圧倒的にTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDの性能の凄さを改めて確認出来ました。

一方、Irix 15mm f/2.4 Fireflyはサジタルコマフレア、ゴースト、周辺流れなどがありますが昔の広角レンズに比べては相当良い性能ではあると思います。(TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDとか使ってると目が肥えて来ます…。)

それにIrix 15mm f/2.4 Fireflyは重量が605gと軽いので山での星景写真や予備の広角レンズとして持って行くのには十分な性能があります。

更に、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDと異なり出目金レンズではないのでフィルターの恩恵も受けやすいレンズだと感じました。