カメラと星景写真の日々

まだ見ぬ星景写真を求めて

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【天体撮影記 第71夜】 山梨県 雪積もる地蔵岳のオベリスクの星空と山岳星景写真を目指して

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目次

 

1. 前置き

山梨県南アルプスの入門者向けとも言われている鳳凰三山へ登山に行ってきました。

この鳳凰三山は山岳星景写真の撮影計画に入っていた山で特に地蔵岳のかっちょいいオベリスクと星空を撮影することは夢の一つでした。

今回の撮影は10/20-21に掛けてになります。

10/20は午前中は快晴でしたが、午後から寒気が入ってきたことにより、天候が悪化して最初は雹だったものが次第に雪に変わり夕方頃までシンシンと降り続き続きました。

この雪も夜の始め頃には止んで少しずつ天候が回復し、23時頃には空気の澄んだ素晴らしい星空が広がってきました。

 

2. 撮影地について(地蔵岳)

鳳凰三山の一つである地蔵岳は、標高2764mの高さがあり山頂部にはオベリスク(地蔵仏)と呼ばれる物があります。また、地蔵岳の鞍部にはお地蔵様が置かれていて神秘的な雰囲気となっています。

この地蔵岳を訪れるのは結構大変で最も最短なコースだと青木鉱泉(約1100m)からドンドコ沢を登り距離7.5kmの標高差1664mを登らなくてはなりません。

コースタイムとしては青木鉱泉からだと片道7時間20分…。なので、基本的には道中にある鳳凰小屋にテント泊か小屋泊します。鳳凰小屋から地蔵岳までのコースタイムは1時間20分で標高は400mあがりますので結構きつい山です。

 

3. 地蔵岳付近の空の暗さ

南アルプスの最深部ではないけど空の暗さは素晴らしく、見える星の数が多いため星座がわからなくなるほどです。鳳凰小屋のテント場からも十分に星は見えるので夜間のトイレ等の時にのんびりと天体観測するのもいいかもしれません。

光害マップ

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撮影だと北と西側は街明かりの影響が少なく黒の濃い背景を持つ星空を撮影出来ます。

一方、東側には甲府盆地からの街明かりがあるので夜景は息を呑むほど素晴らしいですが天体撮影となると光害の影響を受けてしまいますので何とも言えない。

 

4. 雪積もる地蔵岳オベリスクと星空

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オベリスクと山頂標と北天の星空

夕方からの雪で地面が白色に染まり、オベリスクにも薄らと雪が積もり、そのおかげかオベリスクは普段と異なった雰囲気が漂ってます。

手前の山頂標に灯りがあたっているがこれは登山リュックに付けているランタンの光によるもの。(ランタン付けっぱで消し忘れてた)

流石に車で行けるような所ではないので自分と友人意外の撮影者は皆無でした。

山岳星景の魅力としては素晴らしい風景もそうですが誰も居ないところで静かに撮影出来るのもまた魅力です。でも、生死に関わるリスクは伴いますが…。

 

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地蔵岳とお地蔵さんとカシオペア座

 

狙っていたのはこの構図になります。

地上部は甲府盆地の街明かりである程度は明るくなっています。

 

もうちょい時間が経てば地蔵岳の右に北斗七星が昇ってきてカシオペア座と北斗七星と地蔵岳の組み合わせを撮影出来たはずだがあいにくこの後に観音岳からの朝焼け撮影も控えてたので今回は後ろ髪を引かれる思いで後にしました。

しかし、上の写真が撮れただけでも個人的には満足しています。この写真は登る前からイメージが出来ていて(雪は想定外)その通り撮影できたのもあります。

 

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冬の大三角形観音岳

甲府盆地の夜景は星を撮影する設定だとかなり明るく写ってしまう。なので通常はハーフNDフィルターを使用する必要があるが山に持って行くのはちとだるい。

 

それともうちょい早く起きて登っていれば観音岳とオリオン座の組み合わせももっと綺麗に狙えたのにそれを逃してしまったのが残念だ…。

 

雲が出ていたのも撮影時間が遅くなった一つの要因だけど実際はテント内で爆睡して23時に起きたという失態もある。

でも、そのままテント内で朝を迎えてたらそれこそ絶望だったし起きれてよかったと思う。

 

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木々の隙間よりオリオンを

この日はちょうどオリオン座流星群も極大日前とのこともあり、火球クラスの流星をちらほら見る事が出来た。この構図を決めているうちに火球が流れる辛い思いもした。残念ながら写真には納める事が出来なかったのも辛い。

この後は観音岳でも星空撮影を考えていましたが流石にテント泊装備だと時間が掛かってしまい朝焼けにしか間に合いませんでした。

なので、次は夏あたりの天の川との組み合わせに再チャレンジしてみたいかと思ってます。

 

5. 撮影機材

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4

 

 

6. 最後に

10月末だと鳳凰三山のような3000m近い山は冬山なので装備類は冬山装備です。実際に初日は雪が積もりその中での夜間撮影でしたのでツェルトや防寒着、食料、お湯などをしっかりと持って挑んでいますが、これが秋山装備だったら間違いなく遭難に繋がる危険性が高いと思います。更に、南アルプス鳳凰三山は標高差が結構あるので機材を担いで登山ってのも体力面でかなりきついので気軽な撮影は禁物であまりオススメは出来ないです。もし鳳凰三山での星景写真を撮影する場合は十分な装備とそれなりの登山経験を積んでから挑んだ方がいいと思った山でした。