カメラと星景写真の日々

まだ見ぬ星景写真を求めて

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【天体撮影記 第117夜】 熊本県 草千里展望所から阿蘇の噴煙と冬の星空

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1. まえがき

年末にかけて仕事が忙しくなってきたのと休日予定が2週間続きで天体撮影出れなかったのでブログの更新がしばらく途絶えていました。

前々では記事ストック溜まっていたのですがここ最近は撮影頻度が落ちてしまい3~4日ペースでの更新ができなくなってしまっています。

 

さて、来週12月13日~15日にかけては毎年楽しみにしているふたご座流星群の極大期を迎えます。ただ、今年は極大期の時間はいいんですが、ほぼほぼ満月なので流星を狙うとしても火球クラスの明るい流星メインで狙うことになります。

また、月があるとISOや露出時間を上げられないので撮影枚数も増えるといったデメリットもあるんですよね…。

条件は厳しいですが、ふたご座流星群は年間の流星群の中でも屈指の流星数を増やすので晴れたら確実に撮影と観測に行きたいと思っています。

(GPV先生によると今の所は天気良さそう)

 

と、今回は撮影予定としている熊本県の草千里展望所に下見も兼ねて星空撮影にお出かけしてきました。実は、九重連山大船山の紅葉を撮影した後にも訪れているのですがガスに飲まれてロクに撮影できず撤退してるのでリベンジになるんですよね。

 

後述しますが、草千里展望所はかなり天体撮影と観測に向いているところだと思いました。

 

2. 草千里展望所の空の暗さ

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(Light pollution map)

 

値は0.37ほどです。西側には熊本市内からの光害があるので西側向けての天体撮影は向いていないものの結局南〜東から天の川や冬の正座が上がって来るので上り始めを撮影するならさほど影響はなさそうです。

しかしながら、西側に傾いた天の川などの撮影だと構図に制限がかかるので草千里展望所から狙うなら2~5月の傾いた天の川を狙うのが良さそうですね。

今回はそれも踏まえて阿蘇山の直上に上がって来るオリオン座を狙いました。

 

3. 草千里展望所から阿蘇の噴煙と冬の星空

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阿蘇 草千里展望所に到着したのは日が落ちて20分ほどたった後だった。車から降りて西の空を見るとそこにはとても美しいグラデーションの夕焼け景色が広がっていた。

夕焼けというのはその日その日で違う景色になるので思い通りの色合いの夕焼けを狙うのは毎回通わないと中々撮れない。

そして、夕焼けのグラデーションは撮影しても肉眼で見ている景色とはならないと思っている。これは本来はカメラを通して見る風景ではなくカメラを置いて見るべきだがどうしてもシャッターを切ってしまうのがまあ悪い所だ。

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一度撤退した時はガスの中だったので駐車場から少し歩いたところにある展望所には気がつかなかった。

土曜日の美しい空が広がっている夕方なのにこの展望所には観光客やカメラマンは一人もいなかった。(駐車場にはいました)

恐らく気温のせいかもしれない。この時の温度は0度近くまで落ち込んでいた。

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展望所の反対側を振り向くと阿蘇山からの噴煙が上がっていた。

わりと一ヶ月に1度のペースで阿蘇周辺を訪れているが、この日の火山活動は比較的落ち着いているように見える。正直言えば本当は阿蘇山の火映と星空も撮影してみたかった。阿蘇まで一般道と高速使っても4時間はかかるので中々足を伸ばせない。

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草千里展望所からここまで綺麗に阿蘇を撮れるとは思っていなかった。

本当は杵島岳に登って撮影しようかと思っていたが、草千里展望所でのんびりと撮影しよう。

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空が暗くなるまでは夕景と夜景撮影

月は半月を超えているのでかなり明るく地上風景が綺麗に浮かび上がっていた。

ほぼ撮って出しでここまで浮かび上がるので月明かりをどれだけ上手く使えるかが勝負

現像でも最近はどうにかなってしまうがやはり撮って出しでここまで綺麗に撮ることができると何だろうこう「キマッた!」って気分になる。

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それにしても草千里展望所から見る熊本の夜景は格別な景色だと思う。

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黄昏時が終わり、空に星が輝く時間となった。

月明かりに照らされつつも明るい星は輝く、そして月明かりが地上風景を浮かび上がらせる。

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展望所へと足を進ませる、その先には五角形のぎょしゃ座が瞬いている。

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杵島岳(きしまだけ)とぎょしゃ座の構図

杵島岳の山頂に誰かいたのか、時折ヘッドライトの灯りが見えた。杵島岳には夏の天の川の撮影の時に登って撮影しようかと思っている。

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展望所から阿蘇山を越えて上がって来るオリオン座だ。

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予想していた位置にぴったりとオリオン座が嵌ってくれた。

火山活動が活発だと噴煙でオリオン座が隠されてしまっていたかもしれないので意外と言いタイミングで撮影できたかもしれない。

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オリオン座の正式な星の並びだとオリオンの腕も含めて撮影した方がいいかもしれないが個人的にはこの形がやっぱり好きである意味腕を切った状態の構図で撮影してしまうのである。

今回はこの阿蘇山直上に浮かんでいるオリオン座を撮影出来たので満足だ。

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再び振り返り熊本市街の方面を見ると夏の大三角形が沈みかけていた。

あいにくこの日はハーフNDフィルターを忘れてしまい露出をあげての撮影ができなくて少し星が目立たなくなってしまったのが悔やまれるところだ。

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草千里展望所の駐車場前から撮影した写真だ。

右手に見えるのが「烏帽子岳」だ。そして、冬の大三角形も上がってきた。

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冬の大三角形は綺麗な正三角形をしている。冬の夜空を飾る代表格なのでよく星景写真で撮影される。

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冬の大三角形が上がったら超広角での縦構図で撮影すると冬のダイヤモンドを撮影することができる。冬のダイヤモンドを撮影できるタイミングとしては上りかけと沈む時ぐらいだ。それ以外で撮ると地上風景と一緒に組み合わせることができなくなる。

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再び時が進める。少し仮眠を取って深夜3時ごろ、月が沈む頃合いを狙って起きた。

車内の窓には結露した水滴が氷ついていたので、気温計を見ると−4℃であった。防寒対策としては完璧な状態での車中泊だったので寒くはなかったが外に出ると一刻も早く暖かいコタツにでも入りたいぐらい凍える寒さだった。

しかし、月が沈んだには月明かりに隠された星々が輝いていた。根子岳での天体撮影の時も思ったのだがやはり東から南側の空はとても暗い。冬の天の川もはっきりと見えて映るぐらいだ。

 

そして、上の写真では間違い無いと思うがカノープスも写っている。まさか阿蘇カノープスを撮影できるとは思っていなかった。

 

4. あとがき

熊本県 草千里展望所は様々な構図で星空を撮影することが出来て久々に満足できた撮影だった。

今回は逃してしまったが阿蘇山の火映と星空との組み合わせも撮影してみたいとは思っている。

そして、杵島岳から撮影する夏の天の川や草千里と夏の天の川など撮りたい構図は沢山あるので今後も何回か天体撮影記で登場すると思う。

 

 

5. 勝手に撮影地ランキング

撮影地の環境:☆☆☆☆

空の暗さ:☆☆☆☆

駐車場は車10台ぐらい止められるスペースあり。トイレは今回は行っていないが草千里の観光所に多機能トレイがある。また、自動販売機も観光所まで降りればあるので長時間過ごしやすい場所だ。

しかし、冬場はマイナスの温度に平気で突入するので防寒対策は確実にしっかりとしないと車から出て数十秒で戻る羽目になる。

まあ、最悪車の中からも阿蘇山と星空を見ることができるので外に出なくてもいいかもしれない。 

 

成澤広幸の星空撮影地105選 (双葉社スーパームック)

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