カメラと星景写真の日々

まだ見ぬ星景写真を求めて

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【天体撮影記 第61夜】 伊豆諸島6島目 利島はマイナーな島だからこそ美しい星空が広がっている

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目次

 

1. 前置き

伊豆諸島全島における撮影は2013年の八丈島から始まり、新島、式根島神津島、三宅島とこれまで訪れています。海水浴とかを楽しんだりしつつの天体撮影を目的としてるので基本は梅雨明け後の夏真っ盛りの時期に訪れています。

(島の夏は暑いけど雰囲気がとても大好きなので!)

というわけで今回の伊豆諸島の全島(全9島)での天の川撮影の第6島目は東京から約130kmの場所にある伊豆諸島の一つ利島に訪れて来ました。

 

今回は旅行記録と天体撮影記録それぞれ二つに分けて更新したいと思います。

 

2. 利島について

利島の港は波が高いと大型船が接岸できなくなる為に条件付きでの出港が多く、島内はテント場がなくてかつ野宿禁止なのでこれまで巡った式根島、新島とかと違い宿を必ず取っておかないといけません。

しかし、利島は宿も少ないので夏場の土日での宿泊予約を取るのに結構苦労します。

 

利島は他の伊豆諸島に比べて温泉施設がなく、また島の周囲は崖で海水浴場もほとんどないので観光誘致活動はあまり盛んではない島ですが、ここ最近ではイルカと一緒に泳ぐドルフィンスイムなどで徐々に知名度は上がっている印象

 

 

3. 撮影場所について

利島で天の川を狙うなら場所としては南ヶ山園地というところぐらいしかありません。

それ以外は椿や原生林で視界が殆ど撮れないために天体撮影スポットとしてはあまり好条件ではありません。

また、次の旅行記で紹介しますが宮塚山にある展望台からは北の方角は開けていますが南側はてんで駄目なのと夜に鬱蒼とした森の中を歩かなければならないので撮影地としてはオススメ出来ません…。

また、港からも天の川が見れますが、港の街灯の光や街明かり、そして宮塚山に天の川が遮られるので撮影としては不向きになります。

後は利島のヘリポートあたりまで行けば天の川は見れますが、やっぱり天の川を撮影するなら一番は南ヶ山園地でした。

 

南ヶ山園地は利島村の集落の真反対にあり尚且つ集落から5kmはあるので徒歩だと1時間ぐらいかかります。道中街灯もなく、鬱蒼とした森の中を歩くことになります。

今回は当初自転車を持ってたので自転車で夜間南ヶ山園地に行こうかと思っていましたが宿で車を借りられるということなので車で南ヶ山園地へと向かいました。

南ヶ山園地はトイレ等もあって座る場所もありますが夏場のせいなのか蚊が物凄く多く常に歩いてないと刺されて大変でした…。

なので、これから訪れる方は蚊取り線香か虫除けスプレーとかを持って行った方がいいです。持っていかないと撮影に集中出来ません…。

 

4. 南ヶ山園地の空の暗さについて

天の川が登ってくる東から南側の空の暗さとしてはめちゃくちゃ暗いです。

ただ、後程の写真でもわかるように新島、式根島神津島からの光害をやや受けます。が、誤差の範囲でそこまでは気になりません。むしろ島からの光が写真として少し華を加えてくれるような感じでした。

北側の空も東京から約130km離れてるので北天の空の星々もはっきり見ることが出来ます。また、島内の人口が少なく大型の建物や他の島の海岸沿いにあるオレンジ色の街灯がないので利島の星空はかなり綺麗に見えます。

 

光害マップ

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 利島村付近は明るいけどそれ意外のところは真っ暗な夜空が広がっている。

5. 利島からの天の川

お昼の天気はほぼ快晴模様だったものの霞が多くやや不安があったがその予感が的中して南ヶ山園地についた時にはガスっていたが、次第にガスが取れて行き徐々に天の川が見られるようになっていった。しかし、空の状態は旅行記の昼間の状態よりも更に悪化して撮影条件としてはかなり悪い状態だった。

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日が沈んでから1時間ぐらい経つと天の川を撮影出来るようになってくる。肉眼だと結構暗くなってるけどいざ写真を撮ると上のような感じになってまだ天の川を完璧に写す事は出来ない。綺麗な天の川を写す場合だと日没後1時間半ほど待つ必要性がある。

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日没後1時間半程経つと若干空に明るさが残るが綺麗な天の川を撮影出来た。

今回狙ってた構図は、鵜渡根島、新島、式根島神津島の真上に浮かぶ夏の天の川で一応空の状態が悪いものの撮影出来てホッと出来た。(利島は日程上一日しか撮影プランを組んでいなかったので本当に不安だった)

それにしても、伊豆諸島の伊豆大島神津島の上空は本当に飛行機が多い…。丁度羽田、成田発着の飛行機がひっきりなしに飛んでいるので写真の中で飛行機を写さないタイミングはほとんどない。深夜になればぐっと数は減るけど夏の時期だと天の川が立ってしまうので構図的には少々微妙になってしまう。

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しばらくすると火星も地平線から昇って来た。これで火星、土星木星と揃ったが土星は天の川の中心部にいるので写真だとかなりわかりにくい笑

にしても、火星は地平線から昇ってくる時に真っ赤になっているので少々不気味だと思う。なので、赤い星が火星だと知らない人が見ると初めは結構驚いてる人もいる。

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久しぶりに円周魚眼レンズを使っての撮影をしてみた。(写真の画質が悪いですがソフトフィルター挟んでるのと湿度が高いためだと思う)

東から南側は天の川や惑星(火星、土星木星)の明るい星ばかりでかなり賑やかになっている。木星の上に見えるのはアークトゥルスになる。火星の上に見える三角形の星が夏の大三角形を構成するデネブ(一番奥)、アルタイル(下)、ベガ(上)

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夏の大三角形方面を撮影してみた

緑の光が入っていてこれが最初なんなのかわからなかったが、利島村までの帰りの道で夜間の工事をやっていたらしくそのライトが緑色だったので恐らくそれが写ってしまった。なので、このライトさえ無ければ利島の星空はもの凄いくらいということがわかる。

 

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 帰りに利島港から天の川方面を撮影してみた。

該当や灯台などの光が入り込んでいるがそれでも天の川を撮影出来た。

また、肉眼でも薄っすら見えたので利島なら何処にいっても天の川は見られる暗さだと思った。

 

6. 撮影地勝手にランキング

撮影地の環境:☆☆☆
空の暗さ:☆☆☆☆☆
 
利島村は空の暗さは一級品だけど撮影地の環境としてはそこまで整っていないので長時間滞在にはやや不向き。なので、一時間ぐらいを目安に星空の観測を行うのがちょうどいいかもしれない。
 

7. 撮影機材 

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4

 
Canon 超広角ズームレンズ EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM フルサイズ対応

Canon 超広角ズームレンズ EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM フルサイズ対応