カメラと星景写真の日々

まだ見ぬ星景写真を求めて

カメラと星景写真の日々

【天体撮影記 第133夜】 沖縄県 与那国島 水平線の向こう、南十字星と夏の天の川

【スポンサーリンク】

お題「気分転換」

 

1. まえがき

本ブログでは、沖縄県の天体撮影記は初になります。天体撮影記 第133夜で訪れた所は日本最西端の島、国境の島である与那国島になります。

与那国島の星景撮影については、かねて前より考えていましたが、交通費(主に飛行機代)がかかるのが一番のネックで中々決行に移せませんでした。

 

ただ、2020年6月21日の夕方に9割隠れる部分日食が見られるということでその部分日食の撮影も兼ねて、去年の12月から予約して行ってきました。

 

結果としましては、部分日食は撮れたのですがちょっと機材トラブルとかで日食の始めから終わりまでのタイムラプスの撮影などが失敗してしまいました。

 

それでも9割3分が隠れる部分日食は、皆既月食みたいに周囲がほんのりと暗くなるなど中々に出来ない体験が出来て良かったです。

 

ちなみに次回の2023年の部分日食では殆ど太陽欠けない。

本格的な日食を見るなら10年後である2030年の北海道で起こる金環日食まで待たなければならない。そう考えると与那国島に部分日食を観測しに行くのは正解だったと思っています。

 

もちろんコロナの影響も心配していましたが、ちょうど移動日である6月19日に県外移動の解除がなされたので今回は色々と運が良かったです。

ただ、この運の良さのしっぺ返しはきちんと食らいましたが…(自業自得な部分ありますが)

 

さて、天体撮影の方も与那国島滞在の2夜両方一応撮影することが出来ました。今回紹介するのはその2夜分の星景写真になります。

 

続いて記録として今回の撮影時の「地上天気図」の記録です。

天気図参考は気象庁|過去の天気図より

2020年6月20日

f:id:Starryheavens:20200627125727p:plain
f:id:Starryheavens:20200627125732p:plain

実は今回の撮影で一番気にしていたのは梅雨前線に伴う天気の悪化です。

今年の沖縄県の梅雨明けは例年より11日早い6月12日でした。しかし、大陸からの高気圧の影響で梅雨戻りする恐れがありました。何とか太平洋高気圧が若干強まったことにより沖縄県と九州南部の間に梅雨前線が停滞してくれて良かったものの一歩間違えば曇天の中何もせずに宿に篭る日々を送っていた可能性もありました。

2020年6月21日

f:id:Starryheavens:20200627130358p:plain
f:id:Starryheavens:20200627130401p:plain
f:id:Starryheavens:20200627130406p:plain

2日目の夜に関しては、前線の位置は変わらないものの低気圧が発生したせいか湿った空気により、1日目よりも天候は悪化しました。それでも雲の隙間からの撮影で何とか何枚か撮影することが出来たのでよかったです。

 

2. 与那国島 水平線の向こう、南十字星と天の川の撮影旅 

部分日食の撮影と与那国島の天の川の撮影ともう一つの目的としては、与那国島はほぼ北緯24度線なので、南十字星が水平線の少し上に見ることが出来ます。

南十字星は1~6月末ぐらいまでしか見られないので期間的にはギリギリでのチャレンジとなりましたが無事に撮影することが出来ました。

f:id:Starryheavens:20200627135024j:plain

この日は夏至間近なので南十字星全体が見られる時間としてはわずか30分ほどしかありません。

南十字星を見るまでは見つけるのが大変な星かと思っていたんですが、意外とすぐに発見することができました。日本では、北緯24度であっても、南十字星は水平線にギリギリなので雲があると見ることが出来ません。なので、結構レアっちゃレアな星です。

もちろん南半球に行けばいとも簡単に観測できますが…

f:id:Starryheavens:20200627135035j:plain

南十字星は、ポインターと呼ばれるケンタウルス座のα星とハダルの二つの明るい星の右横を見れば見つけることが出来ます。1月から3月ぐらいだと与那国とかだとニセ南十字も上がっているのでポインター探しはかなり有効です。

ちなみにネット検索で「沖縄県 南十字星」と調べても全然見当違いな写真の紹介ばっかで肝心の南十字星が載ってる写真がないサイトが多いのはどうなのかと思います。

f:id:Starryheavens:20200627135206j:plain

日が落ちてから1時間ほどすると夏の天の川が昇ってきました。夏至近くの与那国島の日没は20時近いので空が完全に暗くなるのは21時になってしまいます。

上記写真では2003年に放送されていたテレビドラマ「Dr.コトー診療所」の「志木那島診療所」で撮影しています。天の川中心部はまだ「志木那島診療所」に隠されていますが、さそり座、ケンタウルス座、南十字星が写っています。

湿度が高く大気の質としてはそこまで良くなかったのですが、それでもこの星空の写りです。

本当に条件がいい時に撮影したらどうなるんでしょうかね…。

f:id:Starryheavens:20200627135218j:plain

ちょっと角度を変えて「Dr.コトー診療所」と与那国島の夏の天の川を撮影してみました。

こちらは「Photoshop Lightroom」で現像作業を行なっているのですが、Twitterでも呟いたとおり、現像前でもかなりはっきりと夏の天の川が写っています。

 

南側の方角は太平洋になるのと与那国島自体の光害も少ないため、天の川をはっきりと見ることが出来ます。

ただ、目視では去年訪れた種子島の天の川と同レベルに感じたので恐らく肉眼だと限度があるのではないかと思いました。

starryheavens.hatenadiary.jp

f:id:Starryheavens:20200627142036j:plain

しかし、写真だと写り方が全く種子島と違います。沖縄の離島の星空の凄さを本当に感じました。

f:id:Starryheavens:20200627143050j:plainEF8-15mm F4L フィッシュアイ USMの対角魚眼(15mm)使って夏の大三角形から夏の天の川の中心までを撮影しました。天の川の下に写っている明るい星は木星になります。

Canon 超広角ズームレンズ EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM フルサイズ対応

Canon 超広角ズームレンズ EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM フルサイズ対応

  • 発売日: 2011/07/29
  • メディア: エレクトロニクス
 

f:id:Starryheavens:20200627143042j:plain

今回同じ場所で撮影したので構図としてはほとんど変わり映えしないです。

 

これには理由があって、今回の運の良さのシッペ返しとして免許証を忘れたことによりレンタカーが借りられず色々なところを回ることが出来なかったためです。本当は東崎灯台の方の撮影にも行く予定でした。しかし、移動手段は自転車のみだったのでほぼ不可能に。

 

それも昼間に炎天下の中、自転車で与那国島一周とかバカなことをやらかしていたので体力的にも限界でした。

自分が所有しているMTBと自転車用の装備だったら問題なくいけたとは思うんですが…レンタル自転車はね…。

 

ちなみに免許証忘れたのは、給付金の証明書として免許証コピーのために自分のプリンターの中に置き忘れていたという…今まで忘れたことがなく財布に入れっぱだったので忘れ物確認事項としてもチェックしてなかったのも原因。

次回からはきちんとチェックします‥。それにしても本当はもっと色々撮る予定だったのに撮れなかったのは本当に辛かった。(免許証も電子化になればと強く思いましたがまあしないでしょうね…)

f:id:Starryheavens:20200627144903j:plain

このあと疲れのせいか気を失ってしまい、目が覚めたらだいぶ高い位置まで天の川が昇っていました。日本本土と違い、北緯24度だとさそり座や天の川の中心がだいぶ高い位置に来ているのがよくわかります。

この日は、「志木那島診療所」辺りの撮影で終わりました。

続いて翌日は、日本最西端の地碑と夏の天の川の撮影に

f:id:Starryheavens:20200627144915j:plain

日本最西端の地碑と夏の天の川の写真も今回与那国島を訪れた時の目的の一つだったので無事に撮影することが出来ました。

f:id:Starryheavens:20200627144921j:plain

日本最西端の地碑の近くには、西埼灯台の光と久部良集落からの光害があるため撮影と観測には不向きな場所です。

 もし、濃ゆい天の川を見たい場合は南牧場の前の海岸線の道沿いがおすすめです。

車があれば東崎灯台まで行くのが一番ベストです。

3. 与那国島の空の暗さについて

f:id:Starryheavens:20200627152328p:plain

Dr.コトー診療所」周辺には比川集落があります。僅かな光害があるものの値としては0.33とかなり暗い空ですね。南側は太平洋なので光害が一切なく最高レベルの天の川を見ることが出来ます。

f:id:Starryheavens:20200627152237p:plain

と、今回行けなかった東崎灯台付近の光害レベルを調べてみると値は0.07ととんでも無い数値に…。これは行きたかったな。

いつかリベンジで与那国島を再び訪れたいと思います。

 

4. 番外編 竹富町で見られた謎の発光の正体

www.yaeyama-nippo.co.jp

2019年の八重山日報の記事になりますが、竹富町で謎の発光が確認されたという記事がありました。記事内では「クルーズ船原因」が原因と書いてありましたが、与那国島で下記写真を撮影して答えがわかりました。

f:id:Starryheavens:20200627144909j:plain

記事内にも触れられてるように方角的には西の方角にあります。

この方角には、台湾の宜蘭県(ぎらんけん)があるんですよ。まず間違いなくここからの光害が高層雲に反射して明るい空を作り出しています。この時もちょうど梅雨前線付近に高層雲が見られたのでこのような状況が発生しています。宜蘭県(ぎらんけん)の他、もしかすると台北の光害が入ってる可能性もなくはないですね。

与那国島から台湾までの距離はおおよそ110kmとわりと近い距離にあります。そこまで光害って届くの?って疑問に思われるかもしれませんが案外届くものです。

また、台湾から竹富町は190kmと離れるので台湾上空にある高層雲から反射する光は距離的にかなり低い位置に見られます。

これが恐らく竹富町で見られた謎の発光現象の正体だと思います。なので、UFOや地震の前兆現象でもなく気象条件が重なった時に見られる光景だと思います。が、何故か誰もこのことについてコメント入っていないのが不思議です。

f:id:Starryheavens:20200627155200j:plain

ちなみに参考として、神津島で撮影した東京方面の光害です。東京から神津島までは170km離れているのですがここまで明るい夜空となっているのです。人が想像する以上に街明かりの影響は遥か遠くまでに及びます。

 

5. あとがき

本ブログでは初となる沖縄県での天体撮影となりました。成果としては目的であった与那国島の天の川を無事に撮影出来たのと、部分日食を見ることが出来たのでかなり満足できた離島旅でした。

しかしながら免許証を忘れたせいでレンタカーが借りられず東崎灯台といった光害がほとんどないところでの撮影ができなかったのが本当に心残りです。

 

ただ、今回は沖縄の八重山諸島の星空の素晴らしさを知ることが出来たので今後も八重山諸島に撮影に行こうと思っています。特に波照間や竹富などは訪れてみたいですね。

  

6. 勝手に撮影地ランキング

撮影地の環境:☆☆☆☆

空の暗さ:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

成澤広幸の星空撮影地105選 (双葉社スーパームック)

成澤広幸の星空撮影地105選 (双葉社スーパームック)

 

 

7. 使用機材 

CaNn RFレンズ RF15-35mm F2.8 L IS USM ブラック

CaNn RFレンズ RF15-35mm F2.8 L IS USM ブラック

  • 発売日: 2019/09/30
  • メディア: エレクトロニクス
  

8. 離島での天体撮影記録 

starryheavens.hatenadiary.jp

starryheavens.hatenadiary.jp

starryheavens.hatenadiary.jp

starryheavens.hatenadiary.jp
starryheavens.hatenadiary.jp

starryheavens.hatenadiary.jp

starryheavens.hatenadiary.jp