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【天体撮影記 第207夜】 月光の夜に浮かぶ紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)

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1. 前書き

starryheavens.hatenadiary.jp

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10月12日、13日に続き、14日もある程度天気が良く撮影に出掛けて来ましたが、途中から雲が発生してしまい満足いく写真が撮れませんでした。

そして、天気予報ではしばらく天気が悪い日々が続く予報でしたが、10月16日の夕方から夜にかけて予報が変わり晴れの夜空が広がりました。

今回は10月14日分と10月16日分の紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)の写真を紹介していきたいと思います。

天気図参考は気象庁|過去の天気図より

10月14日は、大陸から張り出していた太平洋高気圧が移動し始め、西から天候が崩れるような形になってきており、雲の合間から彗星を狙う形となりました。

一方で、10月16日に関しては、大陸からの高気圧の張り出しにより秋雨前線が一旦崩れ西日本では晴れ間の広がるところが多くなりました。

夕方ぐらいまでは雲が優勢で撮影地について、かなり悩みました。

2. 10月14日分 淡路島から紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)

[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:3.2s / ISO: 2000,トリミング有]

淡路島から撮影しましたが、予想以上に雲が発生していたため、前回の瀬戸大橋の時みたいに彗星の全体像を撮影することが叶いませんでした。

また、西の方角には高松市の光害の影響もあり、淡路島からの撮影は想像以上に条件としては良くなかったです。

[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:3.2s / ISO: 1600,トリミング有]

上空の雲と地平線の雲の合間からの撮影でこの日はほんの10分程度しか撮影出来ませんでした。

1等級ぐらいでしたが、雲のせいか肉眼でも見つけられず、双眼鏡を使いようやく見えるぐらいです。

 

3. 10月16日分 瀬戸大橋と紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)

10月16日分は天体撮影記 第206夜でご紹介した瀬戸大橋と紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3) の組み合わせを再び狙ってみました。

[焦点距離:50 mm /絞り値: F2 / シャッタースピード:3/5 / ISO: 1250]

雲が広がるもののようやく紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)の全体像を撮影することが出来ました。12~14日よりも尾が長くなっているのが写真からでもわかります。

また、12~14日まではRF15-35mm F2.8L IS USMを使用していましたが、35mm画角では少し広角過ぎたため、使用レンズをフォクトレンダー NOKTON 50mm F1に変えました。

[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:2.5s / ISO: 1600]

100mm画角では彗星の尾の部分がはみ出てしまうぐらいの長さです。アンチテイルもうっすらと見えます。肉眼でもわずかながらにぼんやりと核と尾が見えました。

満月の1日前で月明かりがかなりある中でこのぐらい写るのですから、新月だったらもっと美しい尾が撮れたかもしれません。

正直言って、天気が良くなり彗星の全体像を撮れただけでも運が良かったと思います。

続いて、瀬戸大橋と紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)の構図の写真を何枚かご紹介致します。

[焦点距離:50 mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:2s / ISO: 1600]

紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)はちょうど真西の方角に沈んで行くため、瀬戸大橋とのコラボ写真を狙うことが出来ました。

[焦点距離:50 mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:2s / ISO: 1600]

彗星毎に軌道が違うので、次に別の彗星が来たとしても同じような構図では撮影出来ないため、ある意味では貴重かもしれません。

[焦点距離:50 mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:2s / ISO: 1600]

月明かりの中でこれだけの姿を保っているのは大彗星の証です。また、尾の長さもかなり長いです。50mm画角でようやく収まるレベルです。

いやこれ本当に月明かりのない空だったらどれほど綺麗な彗星の写真になったのだろうかと思います。

[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:2.5s / ISO: 2000]

縦構図で紫金山-アトラス彗星と瀬戸大橋

13日の彗星が明るい時にこの構図が撮影できれば一番良かったのですが…雲ばかりはどうしようもないです。ただ、彗星の近くに雲があると何で雲があるんだと心の中で思っていましたけどね…。

 

12日、13日、16日の紫金山-アトラス彗星を並べてみました。まあ、明るいのは明らかに13日ですね。16日は月明かりがなければもう少し明るく撮影出来てたかもしれません。

左が紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)で右がネオワイズ彗星(C/2020 F3)になります。
彗星の尾の長さ的には紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)の方が長く感じます。彗星の明るさについてはネオワイズ彗星の場合、月明かりがなくまた天の川も見えるようなところで撮影したのでかなりはっきりと写っています。

月明かりがなければ右の写真のような感じで撮れたかもしれません。

彗星の軌道や核の大きさ、ダストなどといった個体差があり、毎回同じような写真にならないのが面白いところですよね。

4. あとがき

正直なところ、天気予報ではずっと曇りの日が続く予報が出ていたので、もう撮影自体出来ないかなと思っていました。しかし、ようやく彗星の全体を撮影することが出来て満足です。

20日までは撮影できるとされていますが、これから更に彗星が暗くなってきますので、夜空が暗いところでない限りでは条件は厳しくなっていくと思います。月明かり的には10月20日が月の出が遅くなるので、そこが狙い目かもしれません。

今回の紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)の撮影はこれにて一旦終了したいと思いますが、またチャンスがあれば撮影には出る予定です。

月末にアトラス彗星(C/2024 S1)も近づく予定ですが、こちらは核が崩壊しているとの観測情報も入っており、明るくはならない可能性が非常に高いです。といっても紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)も7月には崩壊したとの話もありながら、ここまでの明るさになったので彗星の明るさの予測はかなり難しいです。

 

ネオワイズ彗星の撮影記録

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彗星の科学―知る・撮る・探る

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5. 撮影機材