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【天体撮影記 第205夜】 宵の口に輝く、紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)

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1. 前書き

昨年発見され、今年大彗星となる言われていた紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)を撮影して来ました。

紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)は、無事に近日点を通過し、最大光度-4等級(前方散乱により)まで明るくなる彗星となり、2020年のネオワイズ彗星(C/2020 F3)以来の肉眼でも確認できる彗星となりました。

近日点通過後は日本で10月12日ごろから西の低い空で観測できるようになりましたので、早速撮影してきました。

正直西の低い空は、地上付近に雲がない最高の条件じゃないと撮影出来ないですが、今回はその条件を見事に引き当てることが出来ました。正直撮れるか不安でした…。

天気図参考は気象庁|過去の天気図より

大陸からの太平洋高気圧が停滞しており、空気も乾燥し、澄んだ青空が広がっていました。

それでも地上付近では、雲が発生しており夕方までになるまでわからない状況でした。

2. 宵の口に輝く、紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)

[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:1/30/ ISO: 2500,トリミング有]

 

実は10月11日もギリギリ見えるかなと思い撮影には出たんですが、撮影出来ず10月12日に本当に撮影できるかかなり不安でした。

だいたいの場所はわかっていたのですが、ファインダーを見ながら探しても最初のうちはわからず、実際日が落ちて時間が経ってようやく尾がある彗星を見つけることが出来ました。

ちなみに今回の撮影使用レンズはRF100mm F2.8 L MACRO IS USMになります。

[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:1/5/ ISO: 1000,トリミング有]

日が暮れるスピードよりも紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)が沈む速度が速いです。

[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:1.3s/ ISO: 1000,トリミング有]

彗星の尾は夜明け前に見られていた時よりも、伸びていません。実は尾が地球の方を向いており、10月15日以降にならないと長い彗星の尾を見ることが出来ません。

[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:3.2s/ ISO: 1000,トリミング有]

それでも彗星の光度の予測は難しく核が崩壊して全く見られなくなることも多々ある中で、紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)の彗星の核と尾が黄昏時にここまではっきりと映る姿を見せてくれたのは本当に嬉しいですね。

[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:5s/ ISO: 1250,トリミング有]

最後は地上付近のモヤの中に沈んでいきました。しかし、ここまで地上付近に雲がなく撮影出来たのは本当に奇跡としか言いようがありません。

 

そういえば今回の撮影場所は、香川県紫雲出山というところになります。紫雲出山からの夕焼けがかなり綺麗だったので最後に紹介します。

3. あとがき

彗星については、4年前に撮影したネオワイズ彗星(C/2020 F3)があります。ネオワイズ彗星(C/2020 F3)についてはイオンテイルなども撮影出来ていました。

starryheavens.hatenadiary.jp

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今回の紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)はガスに対する塵の大きい「ダストリッチ」の彗星で夜明け前の写真ではネオワイズよりも尾がかなり長く感じられました。本当は夜明け前の紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)も撮影したかったのですが、あいにくの天気で…。

 

紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)はこれから徐々に西の空に高度を上げていきます。しかし、太陽から離れていくので徐々に暗くなっていくので肉眼での観測は双眼鏡等使わないと少し厳しいかもしれません。また、満月期へと入っていってるので月明かりの影響も受けます。

とりあえずまた、撮影に出ますので撮影出来ました報告をまたいたします。それでは

彗星の科学―知る・撮る・探る

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