1. 前書き
紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)は等級が下がりだいぶ暗くなってしまいましたが、月の出の時間も遅くなることによって月明かりの影響のない状態での紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)が撮影できるということで、高知県の桂浜へと向かいました。
また、ちょうど西に沈んで行く夏の天の川と紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)のコラボも撮影出来ました。
天気図参考は気象庁|過去の天気図より
10月24日は寒冷前線が通り過ぎ、大陸からの高気圧の張り出しにより徐々に天候が回復して来ている状態でした。一方で、湿った空気はまだ残っていたので所々雲が発生する状況でした。
2. 桂浜 去りゆく紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)と天の川
[焦点距離:17mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:10s / ISO: 5000]
夕暮れの空に夏の天の川と紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)が輝き始めます。本当だとこの後も秋ならではの夕暮れの色合いに染まった天の川を撮影する予定でしたが、手前の雲が30分ほど湧いて来ており、撮影出来ず…。今回の彗星撮影は本当に雲に悩まされることが多かったです。
[焦点距離:17mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:15s / ISO: 6400]
30分後雲が取れてようやく天の川と紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)の組み合わせを撮影することが出来ました。
肉眼だと紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)はほとんど観測することが出来ず、双眼鏡を使いようやく見つけられるレベルです。
しかしながら、カメラだと天の川と紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)をはっきりと写し撮れました。
[焦点距離:17mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:15s / ISO: 6400]
これまでだと、焦点距離50mmや100mmの標準から望遠レンズを使用していましたが、今回は広角メインになります。
太陽と地球からだいぶ遠ざかりましたが、尾もまだ見えており紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)が久しぶりの大彗星であることを示しています。
[焦点距離:16mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:15s / ISO: 6400]
高知県の桂浜は前景となるものが特になく、天の川と紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)のみの写真しか撮れていません。本当なら彗星と何かしらの前景を撮りたかったのですが、今回の彗星撮影では天候と仕事の都合上でほとんど狙えなかったのが悔やまれます…。
[焦点距離:16mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:15s / ISO: 6400]
縦構図で夏の天の川と紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)
紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)と天の川の位置関係がよくある意味で映える構図となっています。
そういえば今現在は自由雲台で縦構図を撮影してますが、ちょっと撮影しにくく、最近話題のカメラ用回転リングのATOLLが気になっています。が、値段が高いのと構図変更時のずれや調整に手間がかかるみたいなので悩ましいところです。
[焦点距離:100mm /絞り値: F2.8 / シャッタースピード:5s / ISO: 8000]
焦点距離100mmで撮影してみました。だいぶ彗星のコマの部分も暗くなり、尾もぼんやりとしています。
12日、13日、16日、24日の紫金山-アトラス彗星を並べいます。月明かりや夕暮れ時などによってちゃんとした比較にはならないですが、暗くなって来ているのがわかります。
しかし、もし13日に月明かりがなければもっと素晴らしい彗星の写真を撮ることが出来たかもしれません。
3. あとがき
紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)を振り返って、前回のネオワイズ彗星(C/2023 F3)よりも撮影できる期間が長かったので撮影チャンスも多くありました。しかしながら、天候面においては四国がどうも微妙でネオワイズ彗星(C/2023 F3)に比べて満足いく写真を撮れたかと言われるとちょっとって感じですね。
それでも今回の大彗星を撮り逃すことがなくホッとしています。
さて、月末のアトラス彗星(C/2024 S1)ですが、今のところ明るさは7等級ほどであと、二日でどの程度明るくなるかです。ただ、来週にかけてはずっと天気が悪いので撮影できるのか…。
また、アトラス彗星(C/2024 S1)は予測だと崩壊しなかった場合は一気に明るくなりますがその期間も短く撮影できるかと言われるとちょっと厳しいかもしれません。
もし、また撮影出来ましたらご報告いたします。
ネオワイズ彗星の撮影記録
4. 撮影機材