1. 雲の平から祖父岳へ
雲の平の夜は、雲が多く、時より雨もパラついていた。
明け方にはパラついていた雨も止み、青空が広がってきた。
雲の平キャンプ場は、黒部五郎岳を望むことができるいいキャンプ場
ここから4日間で最も厳しいルートが続く、そのルートは祖父岳~水晶岳~鷲羽岳のルートとなる。
6時に出発したが、このルートを出るのには少し遅い時間だったと思う。
18kg以上ある登山バックを背負いながら歩きだす。
やはり雲の平で星景写真を撮影することが出来なかったのは唯一の心残りでもあるけどいつかまた来訪したいと思う。
特に今回は黒部源流を訪れていないのと北アルプス再奥地の高天原温泉(たかまがはらおんせん)を訪れられてのでいつか再訪問したい
祖父岳までは、木道が続いている。
雲の平から見る水晶岳は美しい
途中分岐があるが、左がスイス庭園、右が祖父岳へのルートとなっている。
時間的な余裕はあまりなかったけど、スイス庭園に少し寄ってみた。
このスイス庭園からの眺めが本当に美しく、時間があればここで紅茶を飲んでのんびりしたいと思ったほどだ。眼下には高天原温泉がある。目の前の山域は薬師岳
といってものんびりする余裕はあまりなく、後ろ髪を引かれる思いで祖父岳へと歩みを進める。
9月後半、秋が深まり、冬が近づいている北アルプス。少し寂しげな感じがする。
次行くときは真夏を狙おうかなと思っているが、天気的には秋の方が読みやすい。
その理由としては、移動性の低気圧が抜けかけてその後に来る移動性の高気圧と共に山に入り、次の移動性の低気圧が来る丁度に下山できるパターンに入れば間違いなく大きな天候の崩れがない。夏場だと、太平洋高気圧に覆われていたとしても上空の寒気によって雷雲の発生などがあるので読みにくい。
祖父岳までの登山道から見る景色は美しく何度も振り返って撮影していた。
徐々に雲の平山荘が見えなくなる。
4日目歩く、黒部五郎岳から太郎平小屋への稜線ルート
祖父岳までの登山ルート、そこまで傾斜はないけど重い荷物を背負ってだときつく感じる。祖父岳は標高が2825mなので、雲の平からは300mほど登ることになる。
流石に出る時間が遅かったのか、後ろから来る登山者は殆どいなかった。
雲の平全域
薬師岳と雲の平
RF24-105mm F4-7.1 STMを使って撮影した。こういう時に中望遠レンズがあるとこういった構図も撮影することができるので便利。
それよりも、前日と違いここまで濃い綺麗な青空が広がるとは思ってもいなかった。
笠ヶ岳は、槍ヶ岳方面から見たときはそこまで目立っていなかったが祖父岳から見ると傘みたいなとんがり具合が凄い
そして、槍ヶ岳方面を見ると見事な雲海が広がっていた…。特に槍ヶ岳含む大キレットがまるで雲海に浮かぶ船のようだった。
祖父岳山頂は特に何もないがほぼ360°見渡せるパノラマ山頂
あまり、道草食っていると時間がどんどん無くなるので水晶岳へ向かう。
祖父岳からワリモ北分岐までの稜線
ワリモ北分岐では荷物デポして、アタックザックのみで向かう。
気温があがり、少し雲があがってきた。
水晶岳稜線から見る眺めも最高だ。
稜線はなだらかだが距離は結構あるので大変
この稜線を少し登った先で振り向くと
素晴らしい風景が広がっていた。
歩いてきた稜線沿いのルートもはっきりと見える。
更に広角で撮影すると雲海と北アルプスの山々が望めた。
稜線伝いを登りきると、水晶小屋の屋根が見えてきた。
水晶小屋の手前のルートから水晶岳へと向かう。コースタイムは片道35分ほどだ。
ちょっくらと水晶小屋に立ち寄ってみたが
水晶小屋からの景色があまりにも素晴らしかった…。ここから先は裏銀座縦走ルートで野口五郎岳や烏帽子岳へと向かうことができる。いつか行ってみたいところだ。
溢れんばかりの雲海が山を越えようとしている。
水晶小屋前のテラスが本当に素晴らしい。ここで一泊したいと思えるほどだった。
いよいよ水晶岳へ向かう。この稜線もまた素晴らしい稜線で歩くだけでも楽しい
水晶岳稜線から見る雲ノ平
こう見ると結構な距離と標高を稼いだことがわかる。
しばらくなだらかな登りが続いてゆく
危険箇所もないので景色を楽しみながら歩ける。
ここら辺から道幅が狭くなり注意が必要
梯子やロープ箇所もある、落石も可能性あるのでヘルメットがあれば安心
大きな危険箇所はないが、それでも一歩間違えると滑落の恐れがあるので注意が必要。
特に晴れている時は問題ないけど、雨などの気象条件が悪い時は特に注意
山頂直下には水晶岳の名前の通り、水晶っぽい石が落ちてる。多分石英だと思うけど合っているかは自信がない。
もうひと登り
けれども結構体力的にきつきつ
そして、水晶岳へ
目の前の稜線をずっと歩いてきた。
後ろを振り返ると赤牛岳方面の素晴らしき景色が広がっていた。
気温が上がり、雲海も上がってきて山を越え始めてきた。
右手に見える湖は黒部湖
水晶岳のパノラマを楽しんだけど時間がどんどん押していくのでデポしたザックを持ち直し、急いで鷲羽岳へと向かう
雲が上がりはじめ、少しガスに包まれていく
ただ、そのおかげか
夏羽の雷鳥に会うことができた。かわいい
やっぱり雷鳥は快晴の時よりも雲がかかっている時の方が会いやすい
ワリモ岳もガレ場が多少あり、踏み外すと滑落事故につながる可能性がある。
ちなみにやっと全工程の半分ちょいを進んだくらい。
ただ、ここからはあまりいい景色の写真はガスのせいで撮れなかったので巻きでいきます。
ここルートに迷いました。一見右っぽいけど左を巻いていきます。
ロープ箇所もあり
すっかり、鷲羽岳はガスに包まれている。
ワリモ岳までの稜線、アップダウンが結構激しいので体力を持っていかれた。
鷲羽岳山頂
3泊4日の行程の中でガスに包まれたのはこの鷲羽岳のみ
ガスの下に鷲羽池が見えた。
三俣山山荘がやっと目の前に見えてきた。お昼を過ぎたのでお腹が空いてきた…。
ここのガレ場は降るのには苦労しなかったがあまり登りでは使いたくないなと感じました。
鷲羽岳を振り返って
三俣山山荘に到着。平日で時間も14時ぐらいだったので人は殆どおらず
カレーライスを頂きます。
時間がないのに50分ぐらい休憩してしまった。
14時40分ぐらいに出発、三俣山荘で会ったご年配の夫婦と共に黒部五郎小屋へと向かいます。
空には鱗雲が広がっていたので天候が崩れる前触れ
黒部五郎小屋までは距離はありますが、標高差がそこまでないのでキツさは感じませんでした。
ただ、天気が心配…4日目は結果的には晴れましたがこの様子だと雨になってもおかしくはありませんでした。
目の前に黒部五郎岳が見えてきました。
そして、黒部五郎小屋へと
ここからの写真が何故か撮影していなかったため、登山期3日目はここまでになります。