カメラと星景写真の日々

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【天体撮影記 第119夜】 千葉県 東京湾の入り口を示す洲埼灯台(すのさきとうだい)とオリオン座

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1. まえがき

「天体撮影記 第118夜」で訪れた「小戸海岸」での撮影を終えた後に、次の「天体撮影記120夜」で紹介予定の「雀島」へ訪れる予定でしたが、房総半島にある「洲埼灯台」が位置的に天頂へと昇るオリオン座、そして冬の大三角形と組み合わせられるのではないかと考えちょっと立ち寄ってきました。

「洲埼灯台」と星空の組み合わせの写真はネット上で検索をかけてもほとんど見かけられない場所でした。

作例写真がない場合だと、光害の状況等が把握出来ないため、最悪何も撮れない可能性もありえます。

ちなみに今回は無事に記事に出来ているので撮影自体は上手くいったのですが、構図作りとしては非常に扱いにくい場所でした。

それでも貴重な灯台と星空を撮るには、中々良い場所でした。

 

2. 洲埼灯台(すのさきとうだい)について

さて、「洲崎灯台」については個人的にも気になっていたので簡単に調べてみました。

lighthouse-japan.com

 

まあ、調べたといっても以前から紹介している「日本の灯台」さんが非常にわかりやすかったのでそれを基に紹介していきたいと思います。

 

「洲崎灯台」自体は大正時代に初めて点灯された灯台になります。

面白いのが後ほどの写真を見てもらえばわかるのですが、灯台フレネルレンズの前に赤いフィルターが付いていて、白色、赤色、白色、赤色と交互に光の色が変わります。

 

実は「洲崎灯台」と真向かいの三浦半島の先端にある「剱埼灯台灯台を結んだ中が東京湾となるそうです。これは調べるまでしりませんでしたし、何で赤色なのかも疑問に思っていたのですが、反対側の「剱埼灯台」は赤色ではなく緑色と白色の交互灯となっているそうです。

 

ここでなんで赤と緑?という疑問が沸くと思うのですが、飛行機も両翼に緑と赤のライトがあるように航路を示す標識にも同じように、港の奥に進む場合に、右が、左がと決まっているそうです。ちなみに船の場合は左舷(Port)が、右舷(Starboard)がと航路標識とは逆なんですよね。

 

詳しい「洲埼灯台」の情報については「日本の灯台」さんをご覧ください。

 

それと撮影地情報についてです。

灯台すぐ下に有料駐車場(200円)と少し離れたところにトイレが設置されています。なので、車で訪れやすくて、長時間滞在も可能なところです。

しかし、駐車場付近は民家があるので、夜間はなるべく騒がないよう心掛けるのが大切です。

 

3. 洲埼灯台の空の暗さ

f:id:Starryheavens:20200103003750p:plain

(Light pollution map)

値としては、0.71ほどで1を切っているのでかなり暗い場所です。

暗いと言っても北側方面は神奈川、東京の大都市圏の光害があります。

千葉県の南房総や外房などに全般的に言えるのですが、東側から南側にかけては太平洋に面しているので天の川撮影などには適しています。

今回の撮影は「洲埼灯台」と冬の星空ですが、冬の天の川が映っているぐらいなので夏の天の川を組み合わせた構図も作ることは可能だと思います。

ただ、2月から5月あたりに見られる寝ている夏の天の川との構図はやや難しいので立った状態の天の川との構図が一番写真映えするかと思います。

 

4. 東京湾の入り口を示す洲埼灯台(すのさきとうだい)と冬の大三角形

f:id:Starryheavens:20200103004324j:plain

LEE No.3のソフトフィルターを使用して撮影していますが、灯台の明かりも強調されてしまいます。しかし、通常の灯台とは違って、「洲埼灯台」は赤色灯なので幾分か強調度合いが薄れています。

f:id:Starryheavens:20200103004430j:plain

それでも、灯台の明かりが強調されすぎている写真を量産するのもどうだろうということでソフトフィルターを外してみました。

しかし、この日は風が強く、また、ソフトフィルターは下記の記事のように後玉にテープで取り付けている状態だったのであれよあれよと飛ばされてしまいました(泣)

starryheavens.hatenadiary.jp

一応無くす事も想定していて、予備のソフトフィルターも作っているのですが、それでも無くすのはつらい…。

通常のソフトフィルターよりも、小さく薄いので地面に落としたりしたら見つからない可能性の方が高いんですよね…。

f:id:Starryheavens:20200103004531j:plain

ソフトフィルターなしの状態だと確かに灯台の灯りが拡張されずに灯台本来の姿を映すことが出来ますが、冬の星座に関しては強調度合いが少なくなり、メリハリがなくなってしまいます。これが夏の天の川なら全然問題ないんですけどね。

f:id:Starryheavens:20200103004712j:plain

「オリオン座と灯台

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灯台冬の大三角形

「洲埼灯台」はオリオン座が天頂付近まで上がった時が一番組み合わせやすいと思います。また、先にも述べたように夏の天の川に関しては、立った状態の夏の天の川と灯台の組み合わせは狙えると思います。「洲埼灯台」付近の空の暗さも十分にあるので間違いなく夏の天の川を撮影することが出来ると思います。

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また、「洲埼灯台」には小さな展望台が設けられており、そこから横浜、東京方面の夜景も見ることができるのでデートスポットとしても中々いいんじゃないかと思います。

しかし、星を撮るとなるとダメダメで上の写真にようにかろうじてカシオペア座や北斗七星が映るもののほぼ光の海に星が飲み込まれていました。

 

5. あとがき

千葉県 東京湾の入り口を示す洲埼灯台(すのさきとうだい)は、冬の撮影よりも夏の天の川狙いで訪れたい場所でしたね。構図は固定されてしまいますが、撮影環境としては整っているので撮影候補地に入れてもいいかもしれません。

それと星だけではなく、「洲埼灯台」の歴史についても興味深い灯台だと思いました。 

 

6. 勝手に撮影地ランキング

撮影地の環境:☆☆☆☆

空の暗さ:☆☆☆

駐車場は200円をボックスの中に入れて停められます。お昼は徴収員がいるみたいです。

トイレも灯台下って少し歩いたところに用意されていますし、自動販売機もあるので長時間過ごすにはいい場所です。ただし、灯台の敷地内は狭いので多くの人が集まっている場合だと譲り合いでの撮影になるかと思われます。

 

成澤広幸の星空撮影地105選 (双葉社スーパームック)

成澤広幸の星空撮影地105選 (双葉社スーパームック)

 

7. 使用機材

Canon RFレンズ RF15-35mm F2.8 L IS USM

Canon RFレンズ RF15-35mm F2.8 L IS USM

  • 発売日: 2019/09/30
  • メディア: エレクトロニクス