カメラと星景写真の日々

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2019年 しぶんぎ座流星群への準備! 撮影と観測 (極大の時間、観測の方角等)について役立つ情報をまとめました。

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目次

 

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(2018年のふたご座流星群では多くの流星が見られた。)

 

2018年の「ふたご座流星群」に続いて見られるのがしぶんぎ座流星群

新年初っ端に観測できる年間三大流星群の一つで、1時間あたりに20~50個の流星を観測できる流星群になります。しかし、流星の出現数に関しては、ピーク時が夜間か昼間によって当たり外れが多い流星群でもあります。

私も年間三大流星群の中でこれまで「しぶんぎ座流星群」だけは、まともな写真が撮れていません。なので、2019年こそしっかりと大火球を捕らえたいと思っています。

 

1. しぶんぎ座流星群について

しぶんぎ座流星群の名前である「しぶんぎ座」は、昔の放射点近くに天文学者ラランドがしぶんぎ座という星座を設定していましたが、1928年に国際天文学連合によって公式に廃止されてしまいました。なので、「しぶんぎ座流星群」は別名の「りゅう座ι流星群」という名前が正式名称になりましたが、相変わらず流星観測者の間でも「しぶんぎ座流星群」の名前が使われていたためなのか、その後2009年に同じく国際天文学連合によって流星群の正式名称がしぶんぎ座流星群になりました。

しぶんぎ座流星群は比較的新しい流星群で200年ほど前から観測されています、

 

しぶんぎ座流星群は12月28日から1月12日頃まで観測できる流星群で、極大時期は年によって変わりますが大体1月4日から1月5日あたりになります。こちらはペルセウス座流星群と同じで正月休みが取りやすく観測しやすい流星群だと思います。

 

1.1 しぶんぎ座流星群の母天体は…?

年間三大流星群の「ふたご座流星群」では母天体が小惑星「ファエトン」、「ペルセウス座流星群」で母天体がスイフト・タットル彗星とされていますが、「しぶんぎ座流星群」の母天体は未だ確定されておらず2003年に観測された小惑星番号196256が有力視されています。

しぶんぎ座流星群の地球との対地速度は41km/sになりますがこれは「ふたご座流星群」とペルセウス座流星群との間ぐらいの速さでだいたい平均的な流星速度だと思います。光度比*1は2.1となっています、これはふたご座流星群の2.6よりも値が小さく明るい流星が多く流れる事を意味しています。

 

流星と流星群―流星とは何がどうして光るのか

流星と流星群―流星とは何がどうして光るのか

 

 (上記本は古いですが流星に関しての基本がまとめられているので読んでいて非常に面白いですし、勉強になります。)

 

2. しぶんぎ座流星群の観測場所について

流星群は街中でも明るい火球クラスであれば観測できます。が、街中だと1時間に多く観測できても2~3個でしょう。

なので、基本的には街明かりの影響を受けない暗い場所での観測及び撮影がオススメです。

一応当ブログでも関東近辺の流星群オススメスポットは下記にまとめています。

starryheavens.hatenadiary.jp

他にも当ブログの天体撮影記に出ている場所のほとんどは暗いところなので是非最寄りの観測場所に向かって見てください。しかし、1月は観測場所によっては冬季閉鎖されているところも多いので事前の調査は必要です。

 

3. 2019年のしぶんぎ座流星群のピーク・極大時間について

2019年のしぶんぎ座流星群のピーク時刻は、1月4日の午前11時頃と予測されています。

そのため、第一候補の観測候補日としては1月3日の夜から4日の朝にかけてになります。明け方にかけてピークが近づくので見えてくる流星の数は多くなるはずです。

 

また、流星群の観測には月の明かりも影響してきます。

1月3日から4日にかけては月は4日の5時ごろに上がってきますが、ほぼ新月状態なので月明かりを気にする必要はないと考えられます。

以上を踏まえて

 

第一候補の観測時間は1月4日の0時~早朝5時頃までがベストの時間になると考えています。

 

私も天候次第ですがこの時間での撮影および観測に出る予定です。

 

続いて第二候補ですが、1月3日の夜から1月4日の朝にかけてです。こちらも月は1月4日の早朝頃に沈むので

 

第二候補の観測時間は1月3日の0時~早朝5時頃までがベストの時間になると考えています。

 

しぶんぎ座流星群については、ピーク時に近づくほどぐっと流星の数が増えますがピーク以外の活動はこれまで観測してきた限り流星の数はかなり少ないと考えられます。そのため、2019年のしぶんぎ座流星群はピークがお昼の11時頃なのでそこまで多くの数の流星は見られないかもしれません。特に2018年のふたご座流星群を見てしまってる人からしたら物足りなさがあると思います。それでも何が起こるかがわからない流星群観測なので機会があれば是非観測をオススメします。一応年間三大流星群に選ばれるほどですからね!

 

International Meteor Oraganization(IMO)より2018年のしぶんぎ座流星群観測のグラフが公開されていましたのでDownloadしてみました。

f:id:Starryheavens:20181231105509j:plain

(IMO:https://www.imo.net/members/imo_live_shower?shower=QUA&year=2018)

上記グラフの横軸は世界時の日にちと時間、縦軸はZHR*2です。

ちなみにZHRは観測者が観測した流星数を算式によって修正した数なので実際にZHRが100を超えていても観測する場合に1時間に100個必ず見えるというものでは残念ながらありません。

 

Quadrantidsは日本語でしぶんぎ座流星群になります。

上記グラフを見て見るとピークに近づくにつれ流星数が相当増えていますがピーク後の落ち込み具合が酷い…。なので、候補日としてはやはり1月4日の明け方についてが一番いいと思います。よく5日の夜の撮影はまず期待はできないですね。第二候補の1月3日の深夜から早朝にかけてもそこまで多くの流星は見られないかもしれません。

これまで何回かしぶんぎ座流星群は観測していましたが実際のところピーク過ぎの流星の数の減り方は本当に酷いです。

この要因として考えられているのがしぶんぎ座の流星物質の軌道傾斜角が71度で、地球軌道に対して直角に近い角度で地球が横切るためなのと流星物質の密集部の幅が狭いことであるそうだ。

 

 

4. しぶんぎ座流星群の見える方角について

f:id:Starryheavens:20181231111055j:plain

 しぶんぎ座流星群が極大(2019年1月) | 国立天文台(NAOJ)

しぶんぎ座流星群放射点の写真は用意できていないので今回は国立天文台さんのイメージを引用している。

ふたご座流星群と異なり特段目立つ星座の近くに放射点はないのでわかりにくい。

目安としてはほとんどの人が知っている北斗七星の一番末尾の星アルカイドの直下にあると考えれば大丈夫だ。

ただ、前回のふたご座流星群の時に説明したとおり、方角にこだわらずにレジャーシートなどを用意して、寝転がったまま観察するのが一番ベストでしょう。

 

5. しぶんぎ座流星群の観測の注意点

1. なるべく暗さに目を慣れさせるためスマホとかを観ないように

これは暗さに目を慣れさせるためです。スマホで流星群を撮ろうとしてもまず撮影できません。(大火球なら別ですが…)なので、スマホのことは忘れてひたすら星空を眺めるのがいいでしょう。

※同じくカメラのライブビュー確認も、基本的にはインターバル撮影なのでそこまで確認する必要性はないのですが撮影地に行くと流星よりカメラのライブビューを見ている人が多い気がします。

 

2. 1月と真冬の寒さなので防寒対策はしっかりと

だいたい空が暗いところとなると標高が高い場所が多いので夜間だとマイナスの温度に平気で達してしまいます。なので、防寒対策はしっかりと!特にお子さんがいる場合は毛布等も持っていた方がいいかもしれません。

 または、サーモスボボトルにあったかい飲み物を入れて持っていくのもありだと思います。

 

3. 寝っ転がるためのレジャーシートなどを用意

立ったまま上を見ると間違いなく首が疲れますのでレジャーシートなどを用意して寝転んでの観測がオススメです。

ただ、真冬の時期地面付近は寒いので、こうした足つきのベットを購入するのもありだと思います。

コールマン(Coleman) コット トレイルヘッドコット 2000031295

コールマン(Coleman) コット トレイルヘッドコット 2000031295

 

 

4. 車で行くときには運転に注意

観測場所の路面などが夜間凍結している場合があるので事故を起こさないように注意が必要です。深夜から早朝にかけては路面が凍結している可能性が高いので出来れば夕方に到着してそのまま日の出を迎えた方が安全です。

 

6. しぶんぎ座流星群の撮影の注意点

撮影方法については下記の記事に纏めていますので参考になれば幸いです。

 

starryheavens.hatenadiary.jp 

基本的には構図を決めたら後はインターバル撮影で流星が入るのを祈るばかりです。

別の方向に流れたからといって構図をかえると構図を変える前の方向にでっかい火球が流れるとかもよくあります。まあ、この対策としてはカメラを何台も用意して全方向を撮影するのが一番ですがちと非現実的ですね。

 

後は天気次第になりますが、まだ流れ星を見たことない!という方には大チャンスなので是非2019年しぶんぎ座流星群を楽しんでください。

 

しぶんぎ座流星群を無事撮影・観測出来たらまた報告記事を書いていきたいと思います。

 

色々調べましたが勘違いによる間違い等ありましたらご連絡のほどお願い致します。

 

 

*1:光度比:横軸に明るさの等級、縦軸に流星数を取った後に直線近似を取った傾きの値になります。明るい流星が多いほど傾きが小さくなります。

*2:ZHR(天頂一時間流星数):観測者に見える流星の理論的な最大数を表すもので、流星群の放射点が天頂にあって、光害のない理想的な条件で見ることのできる、1時間あたりの流星の数