目次
- 1. ふたご座流星群について
- 2. ふたご座流星群の観測場所について
- 3. 2018年のふたご座流星群のピーク・極大時間について
- 4. ふたご座流星群の見える方角について
- 5. ふたご座流星群の観測の注意点
- 6. ふたご座流星群の撮影の注意点
- 7. 追記
- 8. 2018年12月13日のふたご座流星群の観測状況
「ふたご座流星群」は1年の締めとなる12月に観測できる年間三大流星群の一つで、ここ最近は明るい火球なども多く観測されていて、私も年間三大流星群の中で最も楽しみにしている流星群の一つで、実際に昨年2017年に観測と撮影に行きましたが、1時間に40個以上の流星を見ることができました。
それも滅多に観られない火球クラスの流星もバンバン夜空を流れており、もう一晩中「おお」、「すごい」と声をあげていたぐらいです。そのため、晴れていて予定が空いていたら是非観測に出かけた方がいい流星群の一つとなります。
1. ふたご座流星群について
ふたご座流星群については、何度かブログでも紹介していますが一応記述しておきます。
ふたご座流星群は12月5日から12月20日頃まで観測できる流星群で、極大時期は年によって変わりますが大体12月14日から12月15日頃となります。
ふたご座流星群の元となるチリを出している母天体については、小惑星「ファエトン」とされていて、ほとんどの流星群の母天体は彗星である一方、小惑星が母天体となるのはこのふたご座流星群のみだそうです。
また、ふたご座流星群の歴史は浅く、初めて観測されたのが1862年でその時は1時間に10個程度の個数しか見られなかったですが、年を追うごとに出現数を増やして行き、流星数の数は多くなったそうです。また、元々火球クラスの流星も少ない流星群でしたが2000年代に入ってからは火球の出現も多くなってきています。
実際に1997に発売された下記の本でもふたご座流星群は暗くて地味な光り方をすると書かれています。しかし、2014年から2017年の3年間観測していましたが明るい流星が非常に多く流れてる印象しかない流星群です。
(上記本は古いですが流星に関しての基本がまとめられているので読んでいて非常に面白いですし、勉強になります。)
2. ふたご座流星群の観測場所について
流星群は街中でも明るい火球クラスであれば観測できます。が、街中だと1時間に多く観測できても2~3個でしょう。
なので、基本的には街明かりの影響を受けない暗い場所での観測及び撮影がオススメです。
一応当ブログでも関東近辺の流星群オススメスポットは下記にまとめています。
他にも当ブログの天体撮影記に出ている場所のほとんどは暗いところなので是非最寄りの観測場所に向かって見てください。しかし、12月は観測場所によっては冬季閉鎖されているところも多いので事前の調査は必要です。
3. 2018年のふたご座流星群のピーク・極大時間について
2018年のふたご座流星群のピーク時刻は、12月14日の21時頃と予測されています。
そのため、第一候補の観測としては14日の夜から15日の朝にかけてが最も見頃だとされています。
また、流星群の観測には月の明かりも影響してきます。
月は12月14日の22時半頃に沈みますので、基本的には22時半頃からの観測が適しているでしょう。また、ふたご座付近の放射点が天頂(真上に)にくる深夜の2時頃最も流星群が観られる可能性が高くなります。
以上を踏まえての第一候補の観測時間は、以下のとおり
第一候補の観測時間は14日の22:30~翌15日早朝4時頃までがベストの時間になると考えています。
私も天候次第ですがこの時間での撮影および観測に出る予定です。
続いて第二候補ですが、12月13日から14日の夜にかけてです。こちらも月は21時頃に沈むと考えると観測時間としては
第二候補の観測時間は13日の22:30~翌14日早朝4時頃までがベストの時間になると考えています。
私的には本命は第二候補の方です!
理由は後述しますがふたご座流星群はピークをすぎるとガクッと流星の観られる個数が減ります。なので、14日のピークは21時を過ぎた後はもしかすると流星の数が少なくなる可能性が十分考えられます。(もちろん予想外の大出現になる可能性も…)
と考えるとピークに近づいていく13日の夜から14日の朝にかけて一番観られるのではないかと予想しています。(あくまで個人的な予想ですが。)
それと多くのネットニュース等では14日にふたご座流星群の極大期と出るので観測地の混雑具合を考えると13日の方が落ち着いて観測および撮影が出来るのではないかと考えています。ただ、2018年の14日は金曜日で翌15日は土曜日ということで休みの方が多く安心して観測ができると思います。
International Meteor Oraganization(IMO)より2017年の流星群観測のグラフが公開されていましたのでDownloadしてみました。
上記グラフの横軸は世界時の日にちと時間、縦軸はZHR*1です。
ちなみにZHRは観測者が観測した流星数を算式によって修正した数なので実際にZHRが100を超えていても観測する場合に1時間に100個必ず見えるというものでは残念ながらありません。
ここではピークについて考えていきます。まず、2017年のピーク時刻はJSTで14日の15時となっていますのでそこから世界標準時のUTに換算すると9時間の時差があり、上のグラフでは14日の6時がピークとなっています。
ここで注目してほしいのがピークを過ぎた後にガクッと出現率が下がっていることです。
ピーク後4時間ほどは多くの流星が観測されていますがその後は極端に減っているのでグラフより推測するとやはり観測としては、14日夜から15日朝もしくは13日夜から14日朝が良さそうだと考えられます。
15~16日の夜は恐らくそこまでの流星の数は観られないと予想されます。ただし、平常時に比べては流星の数は多いので観に行く価値が全くないわけではありません。
上記写真は2017年に撮影したふたご座流星群の流星写真
冬のダイヤモンドの中を流れることが多いので撮影も観測も楽しいです。
4. ふたご座流星群の見える方角について
上の写真は赤道儀を使用して冬のダイヤモンドを追尾した何枚もの写真を比較明合成したものになります。放射点の位置としてはふたご座のカストルの近くにあり、放射点から流星が流れているのが上記写真から確認出来ると思います。
観測する方角についてはふたご座付近が放射点なので東方向を観測した方がいいと言われている場合もありますが、夜空を見上げていればどこでも流星を観測することができます。
なので、方角にこだわらずにレジャーシートなどを用意して、寝転がったまま観察するのが一番ベストでしょう。
5. ふたご座流星群の観測の注意点
1. なるべく暗さに目を慣れさせるためスマホとかを観ないように
これは暗さに目を慣れさせるためです。
ちなみにスマホで流星群を撮ろうとしてもまず撮影できません。(大火球なら明るいので撮影できるかもしれせんが…)なので、スマホのことは忘れてひたすら星空を眺めるのがいいでしょう。
※同じくカメラのライブビュー確認も、基本的にはインターバル撮影なのでそこまで確認する必要性はないのですが撮影地に行くと流星よりカメラのライブビューを見ている人が多い気がします。
2. 12月と真冬の寒さなので防寒対策はしっかりと
だいたい空が暗いところとなると標高が高い場所が多いので夜間だとマイナスの温度に平気で達してしまいます。なので、防寒対策はしっかりと!特にお子さんがいる場合は毛布等も持っていた方がいいかもしれません。
または、サーモスボボトルにあったかい飲み物を入れて持っていくのもありだと思います。
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3. 寝っ転がるためのレジャーシートなどを用意
立ったまま上を見ると間違いなく首が疲れますのでレジャーシートなどを用意して寝転んでの観測がオススメです。
ただ、真冬の時期地面付近は寒いので、こうした足つきのベットを購入するのもありだと思います。
4. 車で行くときには運転に注意
観測場所の路面などが夜間凍結している場合があるので事故を起こさないように注意が必要です。深夜から早朝にかけては路面が凍結している可能性が高いので出来れば夕方に到着してそのまま日の出を迎えた方が安全です。
6. ふたご座流星群の撮影の注意点
撮影方法については下記の記事に纏めていますので参考になれば幸いです。
基本的には構図を決めたら後はインターバル撮影で流星が入るのを祈るばかりです。
別の方向に流れたからといって構図をかえると構図を変える前の方向にでっかい火球が流れるとかもよくあります。
後は天気次第になりますが、まだ流れ星を見たことない!という方には大チャンスなので是非平成最後の2018年ふたご座流星群を楽しんでください。
ふたご座流星群を無事撮影・観測出来たらまた報告記事を書いていきたいと思います。
7. 追記
色々調べましたが勘違いによる間違い等ありましたらご連絡のほどお願い致します。
追記:天フリ編集部に引用されました。
天フリ編集部の方でもふたご座流星群、ウィルタネン彗星などについて追記されておりますのでご覧ください。
8. 2018年12月13日のふたご座流星群の観測状況
とりあえず速報レポートとして上げます。
昨晩2018年12月13日にふたご座流星群の撮影兼観測に出かけていました。
ピーク時の前日ではありますが1時間あたり20~30個ベースでの流星の確認ができました。一方で明るい火球クラスの流星は少なかった印象を受けます。
ただし、明け方にかけて火球クラスが増えていったので今晩12月14日には結構な数の火球が見られるかもしれません。
また、流星群の方角についてですが、オリオン座付近は流れることが少なくカシオペア座〜北極星〜北斗七星周りで多く流れていた印象です。
実際に撮影においても多くが、北の方面で多く撮影できました。しかし、流星群は満遍なく流れていたのでどこの向きにこだわることなくなるべく寝転んでの観測が最適かと思います。
とりあえず今回撮影した火球クラスの写真の一枚
これ以外について微妙すぎました笑
撮影時間が23時〜4時だったので撮れ高としては低いです。
オリオン座に流れるふたご座流星群
撮影できたのは小さい流星のみ火球クラスは上一枚を除いてダメでした。
9. 2018年12月14日のふたご座流星群の観測状況
ふたご座流星群のピークとなる12月14日も無事撮影が終わりました。
最初は富士山周辺での撮影予定でしたのですがあまりにも雲量が多くべったりとした雲で晴れるまで時間がかかりそうということで雲の圏外に出る長野県 野辺山に向かいました。
道中の高速からでも火球を車の窓ガラス越しに見れるほどの活発な活動をでした。
到着時刻は22時過ぎ、極大の21時を1時間過ぎましたが車から降りた瞬間ですら多くの流星を観測出来ました。
そんなわけで12月14日から翌12月15日明けで撮影した写真を何枚か上げます。
(また後日ふたご座流星群のまとめ記事を書いていきたいと思います)
流星群撮影を始めてから初めて1枚撮りで二つの流星をまとめて撮影することができました。
昨年はこのような写真が撮影出来なかったのでこれは嬉しいです。
これ以外にも何枚か同時に流星が写ってる写真が撮れるほどでしたのでかなり2018年のふたご座流星群は2017年よりも活発な活動だったかもしれません。
トリミングしてますが広角レンズでのこのクラスの火球は普段だとなかなか撮影出来ない。
12月13日と異なりオリオン座付近にもかなりの流星が流れていました。
まだ、現像が終わってない写真がちらほらとあるので後ほどブログで書いていきたいと思います。
と、12月15日-12月16日までの第三夜も撮影に出てますのでまた追記していきたいと思います。