カメラと星景写真の日々

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【天体撮影記 第65夜】 東京都とは思えない星空が広がる青ヶ島の天の川と撮影スポット紹介 伊豆諸島8島目

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目次

 

1. 前置き

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5年前から人生でいつかは訪れてみたい憧れの島である青ヶ島天体撮影で訪れて来ました。青ヶ島は、太平洋の絶海に浮かぶ島で本土からの光害の影響を受けないために日本一とも呼べる星空が広がっている島になります。

青ヶ島に行く方法としては船とヘリコプターの二通りありますが、ヘリコプターの座席数は僅か9席で基本的に発売日初日で売り切れる事がほとんどです。

もう一つの方法では、船で行く方法ですが船の就航率は50~60%と島に行けない、行っても最悪帰れないこともあります。

それ故に会社勤めだとかなーり行きづらい島です。(勿論運が良ければ一泊二日とかでも行けますけど…)

 

それに民宿も少ないので予約が取りにくいってのも青ヶ島に行く難易度が上がっている要因だと考えれます。

 

ただ、一度でもその青ヶ島を訪れることが出来たらそこにはこれまで見た事ないような星空が広がっています。

ちなみに初めて天の川を観に青ヶ島を訪れるのはあまりオススメ出来ません。

何故かというとこれ以上のレベルで天の川を見れる箇所はごく少数で別の場所を訪れた時何だこれってなる可能性があるかもしれないからです。まあ、青ヶ島はそのぐらいの夜空の暗さを誇っています。

 

また、今回の記事がこれから青ヶ島で星を観測および撮影する際に参考になれば幸いです。

 

2. 青ヶ島での撮影場所(候補含む)について

 2.1 青ヶ島 三宝

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↑時化ている時は桟橋にも波が打ち寄せ非常に危険

青ヶ島に3日滞在していましたが、青ヶ島カルデラ内には雲がかかっていることが多く基本的には曇っていました。しかし、青ヶ島三宝港は基本的に晴れている事が多く島内が曇っていても港に行けば星空が見られる事が多かったです。

しかし、外洋に面している港は波が高いので時化ているときは危険なので行かない方がいいです。行くとしても港に詳しい島の人とかと一緒の方がいいと思います。

また、桟橋は波を被る可能性が高く、最悪そのまま波に攫われて行方不明になりますので近づくのはやめておいた方がいいです。

観測•撮影場所としては桟橋の手前の広い駐車場?から見るのが一番安全です。

ただ、トイレなどがないので長時間過ごす場所としてはやや不向き

 

2.2 池之沢 ふれあいサウナ付近

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↑近くに屋根付きの休憩所もある。また光害を減らすためか地面部のみ照らすライトが設置されている。

 

青ヶ島カルデラ内が曇っていないければ安全に青ヶ島の星空を楽しめる場所です。

しかし、サウナや島内の道路の街灯からの光害を受けますのでやや空としては明るい印象を受けました。

それでも十分な空の暗さがあるのと地熱で道路が温かくなっているので秋から冬場などはここで寝転んで星を眺めるのいいかもしれません。

トイレは近くのキャンプ場にありますし、飲み物は自動販売機のあるふれあいサウナで購入出来ますので観測場所としては最適なところでした。

 

2.3 青ヶ島で最も標高が高い大凸部

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↑大凸部から青ヶ島カルデラ内を望む

360度の展望を誇る大凸部が星空を見るには間違いなく適している場所かもしれない。

しかし、問題は車で行けない事だ。展望台入り口からは徒歩で10分ほど真っ暗な不気味な道を歩かなければ行けないので一人だとかなり恐怖があると思う。

しかも、トイレ等もないので長時間過ごす場所としては圧倒的に不利なのと雲が発生しやすい場所なので行っても周りは雲だらけで星すら見えない可能性が十分ある場所なのでオススメは個人的には出来ません。

2.4 尾山展望公園

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↑尾山展望公園の様子

天候の都合上ここでの天体撮影は行っていないが島のパンフレットなどでは紹介されているので今回の記事でも撮影地として紹介しておきたい。

昼間にロケハンとして訪れた時に思った事ととしては大凸部と同様の360度の展望と広場の広さ的には大凸部よりも広く過ごしやすい。また、カルデラ内と星空の組み合わせなら間違いなく尾山展望公園の方が良いと思った。

しかしながら、こちらも島で発生する雲の影響が起こりやすく本当に雲なき快晴の日しか星空が見えない場所でもある。ここで星を見れた人は非常に運がいいと思う。

 

2.5 ジョウマン共同牧場

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↑海に突き出ている部分がジョウマン共同牧場

村内から歩いてて行ける場所として最も暗い場所はジョウマン共同牧場付近

ただ、北側は非常に真っ暗だが天の川が見られる南から西側はやや村内の光害の影響を受けるのと標高が村内より低いので天の川の中心部は島影に隠れてしまう。 

 

3. 青ヶ島の空の暗さについて

青ヶ島の空の暗さとしては先にも述べた通りこれまで経験した事の無い空の暗さを誇っている。

日本一暗いと言われている阿智村付近よりも断然真っ暗な空だ。夜空を見上げればそこには気持ちわるいと思うほどの星が輝いていてあまりの星の数に星座がわからなくなるほどのレベルだった。

しかし、海洋に浮かぶ島なので夏場は湿度が高く常に水蒸気によるガスが発生していて空の状態が悪い日ばかりで、青ヶ島の真の星空は今回見ることが出来なかった…。(残念)

 

真の青ヶ島の星空を見るなら空の透明度が良くなる秋から冬に掛けてが間違いなく良いと思う。(島の人もこの事は言っていたので間違いない)

 

光害マップ

青ヶ島 三宝

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数値上では0.26となっている。この値は本土でもあるが恐らく港の光の影響を受けてでの値なので純粋な夜空の暗さとは少し違うと思う。

 

池之沢 ふれあいサウナ付近

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数値は0.64でこれはサウナの施設や都道の街灯からの影響

 

大凸部

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0.26で港と同じ暗いの暗さがある。やや村内からの光害と都道からの街灯の明るさが気になった。

 

尾山展望公園

f:id:Starryheavens:20180808090005p:plain村内に最も近いので数値は1.44と最も高いが、南側は真っ暗なので天の川を見る分には影響は全然ない。

 

ジョウマン共同牧場

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数値は0.44で南側と西側に村内からの光害の影響あり、しかし北側の空は真っ暗で北極星などもはっきりと見える。また、この場所も島で発生する雲の影響はやや受けにくい。

4. 青ヶ島からの星空と天の川

 4.1 青ヶ島 三宝港からの星空と天の川

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三宝港からの天の川は中心部がはっきりと見え、恐らく天の川を見た事無い人でもすぐにわかるレベルの濃さだった。また、天の川方面に島は遥か遠くにある小笠原諸島ぐらいなので光害など一切感じられない星空だった。

しかし、港を照らす明るい光が唯一残念…これが無ければ最高だったのに…。ちなみに島内の人から聞いたのですがこの灯りは現在港湾の工事を行っているそうで前まではなかったみたいです。

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青ヶ島には港にあるこの灯台らしきもの意外に灯台がないそうです。

ちなみに桟橋の先端付近まで行っていますがこのときは大人数と近くに島の人の車があったことや波がまだ穏やかだったためここから撮影しています。

実際の所波に攫われたりする可能性が高く、波に攫われて死者が出ている事例もあるので桟橋にはなるべく立ち入らない方がいいです。

桟橋から落ちると上がる所なくほぼ助かりません。

4.2 池之沢 ふれあいサウナからの天の川

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池之沢 ふれあいサウナは青ヶ島カルデラ内にあるため周囲はカルデラの山に囲まれています。そのせいで地平線付近の星空を見る事が出来ません。

上の写真でも天の川の中心部がやや見えるぐらいでさそり座とかは見えなくなってしまっています。(もちろん時間がもう少し早ければ見えますが…)

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全周囲はこんな感じで下のオレンジっぽい灯りがサウナ施設からの光害で青系が都道の街灯からの光害になります。

それでも秋の天の川付近もはっきりと写っているので空の暗さは相当な物だというのが伝わるかと思います。

 

4.3 青ヶ島で最も標高が高い大凸部

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ガスの中で晴れ間を狙っての撮影でしかも晴れたのは天の川方面のみだったので作例がほとんどないです…。

天の川方面は港からの光害も感じられず、素晴らしき天の川を見る事が出来ます。

4.4 ジョウマン共同牧場

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ジョウマン共同牧場で撮影した時には既に月が出て来ており写真状では空の暗さはそこまで伝わらないかもしれません。

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撮影時刻としては0時半頃で21時代に見えていた木星やさそり座は沈んでしまい火星、土星などが見えるぐらいです。ジョウマン共同牧場だとこの左にある丘のせいで夏場の時間が早いときだと天の川が隠れてしまい中心部が見えてくるのは22時以降となっています。

 

5. 撮影地勝手にランキング

撮影地の環境:☆☆☆☆
空の暗さ:☆☆☆☆☆
 
空の暗さは本土では絶対に味わえない一等級の暗さがあります。
撮影地の環境についても場所にもよりますが基本的に整っており港以外では安全に星を見る事が出来ます。
 

6. 撮影機材

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4

 
Canon 超広角ズームレンズ EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM フルサイズ対応

Canon 超広角ズームレンズ EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM フルサイズ対応