最近は登山して山岳星景写真に嵌っています。今回の記事では登山や撮影時に感じたことや装備について写真を交えつつ話をしていきます。
私の登山での山岳星景の始まりは、2016年の富士山頂上からの天の川撮影を始めて以来なので実質まだ2年も経っていなく初心者中の初心者です。
なので、今回記述している事は初心者の感想としてみてください。
目次
1. 山岳星景写真に嵌るまで
嵌った理由は最初の2016年の富士山山頂からの天体撮影を行ってからです。雲海が広がった風景、その上に広がる星空という非日常的な光景を見て以来どっぷりと嵌ってしまいました。
↑富士山山頂付近からの雲海と天の川
この雲海と天の川は写真でも充分幻想的に見えますが、実際にこの場面を見ると人生観が変わるほどで別の世界にいる雰囲気でした。
もちろん早朝や夕方の富士山山頂からの風景ももちろん絶景ですが、夜間で他の人がほとんど寝しずまった中でこのような絶景を独り占めできるのは夜間の山頂しかありません。
ある意味で人がなかなか体験出来ないことを経験できるという事が星景撮影の魅力かもしれないです。
(もちろん夜間の撮影には危険が伴いますので必ずしも薦められるわけではないですが…。)
なので、こうした風景を一回味わうと人間悪い事にもっともっと素晴らしい光景を追い求めてしまい年に数回登山シーズンになると山に登って星景写真を撮影しています。
2. 山岳星景のための登山の注意点
2.1 登山道具の準備は入念に
登山道具についてはお金はかかりますが服や靴などの装備類はしっかりと登山のお店とかで聞いたり、本やネットで調べるのが安全のために大切だと思っています。
ネットだと情報が溢れて調べるのが大変な場合は、登山の入門の本などを購入してそれを読み込みつつ気になる所をネットで調べたり、登山用品店にいる登山経験者のスタッフに質問するのがいいかと
後ほど紹介しますが自分が特に重要だと思っているのは非常食料と替えの着替えとツェルトやエマージェンシーシート類です。
地図とかコンパスももちろん重要なんですが、遭難したときに生き残る事を考えると食料と身体を冷やさないようにする装備ってのは必ず荷物が少し増えても持っていった方がいいと思っています。
2.2 登山は朝早くから始める
基本的には登山を行う時間は早い方がいいと言われています。これは午後になると山の天候が崩れやすくなる事や行動中に何かしらのトラブルがあった場合に備えて余裕を持つためです。
特に山岳星景写真だとカメラやレンズや三脚類といった荷物が増えてしまうことによって体力がある人は別ですが、自分みたいな学生時代に万年帰宅部の場合ですとコースタイムより遅いことが結構あります。特に普段運動や登山していない人は余裕をもった行動は必ず必要
あと、朝のひんやりとした中での登山は気持ちよく心が幸せになります。夏場であまり遅い時間からの行動だと暑い中の登山とかになってしまうので早起きは一文の得だと本当に思います。
2.3 天候悪い時はきっぱりと諦める
元々登山予定で行くと決めていたのに天候悪いと諦めきれない場合もあると思いますがが、どのみち夜間も曇りで天体撮影出来ない可能性があることや遭難などの恐れも出て来ますので天候が悪い時や悪くなりそうな時はきっぱり諦めています。
特に登山中大雨になった場合は、沢などが増水して無理矢理渡ろうとして事故にあうケースとかも多々にあります。
逆に天候が晴れそうな予報だった場合は行くってこともありますし、こればかりは経験である程度判断するってのも大事だと思います。
ちなみに天気についてなんですが、自分の場合は天気予報やGPVやSCWを見てまず大まかに晴れそうかどうか判断してそれから山岳専門の天気予報サイトや天気図を確認して総合的に中止かどうかを判断しています。
2.4 夜間の撮影の注意点
夜間の山での撮影は、石とかにつまづいて滑落などの危険性があるので足元の確認をしっかりとする必要があります。
それと、山小屋やテント場だと21時頃は翌朝の行動の為に基本的に早く寝てる人がほとんどです。なので、足音や物音に注意して静かな行動を心掛けるのが重要です。
特にライトなどをテントに当てない様な配慮も必要です。
暗くなる前に既にカメラの準備しておけば余計な物音を立てる心配も無くなります。
2.5 ナイトハイクについて
山岳星景写真を撮影する場合は夜間登山道を歩きながら撮影する場合もあります。
ちなみに夜間の登山や下山はナイトハイクと呼ばれてナイトハイク人口はまだまだ少ないですがナイトハイクを目的に登山をしている人もいます。
ただ、夜間の山岳星景写真での単独行はかなり危険なので、一緒に行ける人(登山経験者)と行動した方が間違いなくいいです。
私は富士山では8月の夜間撮影して一人で下山しましたが、夏山の富士山だと夜間も人が登ってきたりしてるので何かあった場合は助けを呼べる可能性は高いです。
しかし、他の山だとナイトハイク人口自体がそもそも少ないので夜間に何かしらのトラブルがあると自分一人で対処しないといけません。
特に夜間だと道迷いの可能性は圧倒的に高くなるので、ツェルトや食料、そして防寒着類は荷物が多くなりますが確実に持って行くべきです。
2.6 ナイトハイクの楽しみとナイトハイクをするタイミング
ナイトハイクは危険性はありますがやはり人がいない夜の登山や下山は静かで音がほとんどなくまた別の世界観を楽しめます。
特に私が唐松岳の夜間下山をした時には途中八方池を通りましたがそこには誰も人がおらず神秘的な雰囲気がありました。
八方池は昼間だと激混みで写真を撮ると必ず人が写ってしまいますが、夜間だとそのままの風景を撮ることが出来ます。
もちろんナイトハイクでは上で説明したような遭難の危険性が伴いないますのでオススメは正直出来ません。
特に有名な山なら登山道ははっきりしてるのでまだ道迷いが少ないですが、有名じゃない山や低山だと道迷いの可能性が一気に高まります。
あと夜間だと熊とかに気づかない場合もあるのでそういった危険性も頭に入れておいた方がいいです。
余談ですが幽霊とか不思議体験は特にないんですよね…。
変な灯りが山の向こうに見えると思ったら明るい星だったとかの勘違いはありますが。
3. 登山機材について
3.1 登山ザックについて
山岳星景だと通常の星景写真で使ってるカメラバックでは、登山してる際に疲労が多く溜まります。なので、きちんとした登山用ザックを買うのが一番いいです。
自分が使用しているのはNikon×milletのコラボのアイガーグレッチャー33を愛用しています。
アイガーグレッチャー33ですが、容量はインナーボックス無しの場合は33Lあるので、夏場のテント泊1泊ぐらいは出来ます。実際に燕岳でのテント泊ではアイガーグレッチャーにカメラ機材とテント、その他食料を入れて登りました。
ただ、流石に夏山でのテント泊なので、秋口の寒くなる季節には防寒着等も暑くなるのでその場合はモンベルの60Lサイズの登山バックに機材保護用のインナーボックスを使用しています。
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ちなみにカメラ専用の登山バックって基本大会ので個人的にオススメなのは通常の登山バック+登山バックの中に機材を保護するインナーボックスで充分だと思います。
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※サイズは自分の登山バックに合わせた物で。
3.2 登山バックの容量について(縦走無し一泊のみ)
夏山の場合:機材+テント泊装備でコンパクトな収納さを考えれば30L〜40Lでも充分だと思います。ただ、心配な方は50Lあれば適当に荷物を詰めても余裕があるので50Lぐらいの登山バックを購入するのが良いと思います。小屋泊ならほんと30Lで充分だと思います。逆に無理して登山バックの大きいのを買うとむしろ登山バックが重くて無駄な体力を消耗します。※体力に自身があれば別
でも、大は小を兼ねるといいますし、最初は大きなのを買ってだんだん慣れて来たら自分にあったサイズの登山バックを買うのが一番かと思います。
秋山の場合:テント泊ならば50L~80Lはあった方が無難です。特に秋山の場合は例え街中が夏日であっても山頂ではマイナス近い気温になることがしばしばあります。そのため、防寒装備、寝袋等はかならず必要になり荷物が増えます。小屋泊なら40L~50Lあれば問題ないとは思いますが…。
冬山の場合:冬山のテント泊なら80L以上は必要です。これは夏山や秋山と異なり、防寒装備でかさ張るのとスコップやピッケル、アイゼンなどの装備が増えるためです。
春山はまだ未経験なので経験してから追加します。
3.3 その他登山用品について
自分は万が一遭難を考えて緊急用のツェルトは必ず日帰り登山でも持つようにしています。モンベルのライトツェルトなら440gしかないのでまあそこまで大きな負担になりません。
ただ、ちょいと高いので予算に厳しい方はもうちょい安いツェルトを持つか
こういうのを持つのが一番かと。
雨風凌げる装備はあるのとないのじゃ遭難事故記録見ててもだいぶ違ってきますからね。夏山でも雨に濡れれば低体温症で危機的な状況に陥ります。
3.4 夏山〜秋山防寒着+寝袋
夏山ではいつも使ってるのとは違いますが、標高2500m以上の登山では基本ダウン上下は持って行っています。やっぱダウンあると夜間全然寒くない、周りが寒い寒い言ってるなかぬくぬくと撮影することが出来ます。ただ、過剰装備になるのでちょいと恥ずかしいですが。
ちなみに夏山ですが最悪寝袋持って行かなくてもダウン上下+厚手の靴下で夜間は過ごす事が出来ます。まあ、これは寒い時もあるのでゆっくり寝たい方は寝袋はあった方がいいです。
でも、結局夜間の天体撮影だと夜通し起きている事が多いので寝袋で寝るってほとんど時間ないんですよね…。
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3.5 登山ポーチについて
自分は登山用カメラバックの容量を少なくしている変わりに水やカメラ等をすぐにしまえるポーチを使用しています。
歩くのに若干邪魔になると思いますが、それでも容量を稼げるし地図や財布とかもいちいち登山バックを降ろさずに見る事が出来るので非常に重宝しています。
ポーチはあった方が間違いなくいいですね。ただ、ポーチしてるとかっこよさはなくなりますが
[モンベル] mont-bell デルタガセットポーチ S 1123763 NV (NV)
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3.6 寝袋について
夏山は標高2500m以上であれば寝袋は#2~3(最低使用温度-6℃から-2℃)程度あれば十分かと
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秋山についてですが、個人差にもよりますが寒がりな人は寝袋は♯1(最低使用温度-10℃)ぐらいあった方がいいです。寒がりでなければ♯2(最低使用温度-6℃)でも耐えられます。あくまで参考例なので詳しくは登山ショップの人に聞いた方がいいかもしれません。
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テント泊ですと思った以上に夜は冷え込むので寝袋に関してはなるべくあったかい物を選んだ方が僕としては無難だと思います。
デメリットとしては温かい寝袋は重い、デカイので持ち運びが大変になる点ですかね。軽く、小さくしようとすると4,5万は吹っ飛びますのでそこは予算次第。
ちなみに自分はイスカのエアモデルを使用しています。10月の涸沢カールでの天体撮影ではこちらを使用していて特に問題なかったです。※(ダウン上下着ていたせいもあるかも…?)
イスカ(ISUKA) 寝袋 エア450X ロイヤルブルー [最低使用温度-6度]
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3.7 ポールについて
ポールは、モンベルの2wayを使用しています。T字型は登りや下りと身体を支えるのに凄い役に立ちます。休憩時もストックに体重を掛けて休めますしお金に余裕があればポールは買った方がいいかと。
モンベル(mont-bell) ポール 2wayグリップアンチショック チョコ 1140158 CHOCO 1140158
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I型も二本持てば推進力が増しますが荷物や購入金額も増えるのでそこは好みに合わせて
モンベル(mont-bell) ポール アルパイン カーボンポール アンチショック ネイビー 1140175
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ただ、無くても問題ない装備です。
4. 登山でのカメラ機材など
カメラは5DMarkⅣをレンズはTAMRON 大口径超広角ズームレンズ SP 15-30mm F2.8 Di VC USDを使用していますがくっそ重い装備です。これは参考になりません。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4
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TAMRON 大口径超広角ズームレンズ SP 15-30mm F2.8 Di VC USD キヤノン用 フルサイズ対応 A012E
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これから山岳星景写真に挑戦してみたいと思ってる人はボディはできるだけ軽くした方が登山中の負担が少なくなります。
CanonだとEOS6Dシリーズ、NikonだとD750あたりが比較的フルサイズとして軽いので良いです。あとはソニーのα7シリーズですがこちらは長時間露光すると星が消えるスターイータ現象が起きているのでオススメはそこまでしません。でも重さを考えるならα7はいいんですけどね…。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 6D Mark II ボディー EOS6DMK2
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APS-Cのカメラにすると更に軽量化を図れるのですが、DRの広さや高感度に強いという点で星を撮影した後の現像を考えるとやっぱりフルサイズがいいですね。
もちろん最近のAPS-Cのカメラ(例えばCanonだとEOS80Dの二桁シリーズ、NikonだとD5500シリーズ)も高感度に強くなってきてるので無理してフルサイズを買う必要性はそこまでないかもしれません。
レンズは先ほど紹介したSP 15-30mm F2.8 Di VC USDが構図を作りやすく昼間の風景にも対応出来、値段もそこまで高くないのでオススメです。ただ、重いですひたすら重いです。重さがきつい方で単焦点で良ければサムヤンの14mmF2.8やNikon 20mmF1.8とかでも星景写真は充分に撮れますしそちらでも構いません。
三脚は登山時での負担を減らすために軽くて剛性のある三脚を使っています。
GITZO 三脚 トラベラー 2型 カーボン 4段 QDボール雲台キット GK2545T-82QD
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三脚についてはGITZO教に入信しているのでGITZOを使用しています。
新品のトラベラー三脚って10万円台はするのでめちゃくちゃ高いですが中古で型落ちを狙えば4万円台で軽いトラベラー三脚が手に入ります。
Manfrotto トラベラー BeFree 三脚 ボールヘッド付き - (MKBFRA4GY-BH)
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他にもBefreeとかの三脚も軽くて良さげだと思います。
5. 登山での失敗経験
5.1 無駄な機材を持って行って体力消耗
涸沢カールに紅葉撮影に行く時に何故かOM-D E-M5や5DMarkⅢと5DMarkⅣ+レンズ4本ぐらいというガチガチのフル装備を持っていって体力を消耗してしまった情けない失敗談があります。基本的に背負う重量で消費カロリーは多くなるのでなるべく機材は軽くした方が行動しやすくなります。
5.2 寝坊して撮影タイミングを逃す
山小屋泊の時に周りに配慮して目覚ましを掛けていなくてそのまま寝坊して月没写真を撮り損ねた失敗が…。
5.3 寒過ぎて撮影に集中出来ない
秋の山って深夜から明け方になると平気でマイナス近くまで気温が落ちます。
なので星景写真を深夜まで撮影していると凍える様な寒さの中で撮影する場合が多々あります。特に登山し始めたときはそういった経験が全くないので夜間の寒さにやられた記憶があります。
今現在は夏場でもちょっと過剰な防寒着を持って行って対策してますので寒過ぎて撮影に集中できないということは無くなりました。
今までの失敗としてはこんな感じで命に関わる様な失敗経験は今の所ないですがそれはまだ登って撮影してる数が少ないからかもしれません。
6. まとめ
山岳星景写真は普段星景写真スポットで撮影しているような写真とは全く違った写真が撮影できます。山肌と星空の組み合わせや標高の高い場所での澄んだ中での星の写真は本当に美しいです。
また、他の人がなかなか撮れない様な写真を狙えるという事や山での夜間の撮影者は少ないので静かに撮影に集中出来るとことは魅力でもあります。
もちろん登ったら曇ってて全く撮影出来ないパターンもあります。なので、個人的には身体を動かす事が好きで登山も楽しめる人などにはオススメしたいと思っています。