前回:
遂に天体撮影記も50夜目を迎えました。
記念すべき50夜目は、群馬県の嬬恋高原にあるカラマツの丘と浅間山にかかる天の川を狙いに訪れて来ました。
ここ最近休日は天候不順で曇りとかで撮影に出られなかったり、春霞がかかった状態での撮影で抜けの良い写真が撮れませんでしたが今回は快晴&空の抜け具合も最高な条件で天の川を撮影することが出来ました。
と、それと今回はシグマ14-24mmF2.8Artが到着致しましたので、新レンズの試しとしての撮影も兼ねています。
1.撮影場所の状況
嬬恋(つまごい)高原は、群馬県に吾妻群にある高原になります。嬬恋(つまごい)の名の由来としては、
日本武尊が東征の帰路、鳥居峠に立ち、海の神の怒りを静めるために海に身を投じた愛妻の弟橘媛を「吾嬬者耶」(あづまはや)と追慕した古事にちなむ(郡名などの「吾妻」も同じ)。
だそうです。
嬬恋高原は天体撮影や観測地としても名の知られている所で11月22日の良い夫婦の日には嬬恋村での星空鑑賞会なども開かれています。また、キャベツ畑でも有名で「キャベツ畑で愛を叫ぶ」といったイベントも開かれていたりしています。
観光地としても温泉あったり牧場あったりと家族や夫婦で訪れるにはとても良い場所だと思いました。
また、カラマツの丘付近の雰囲気は北海道の美瑛ような丘が連なる場所で広大な景色が広がっています。
さて、撮影場所の状況ですが、カラマツの丘はグーグルマップでも検索しても出てこないため最初どこにあるのかと探していました。情報が本当にないんですよね。
正確な場所は多分ネット上に上げないようにされているかもしれません。理由としてはやはり農場があって人が多く立ち入ると荒らされるとかと言った心配があるからかもしれません。(もちろんただ単に自分が探して見つからなかっただけかも…)
大まかな場所としては、つつじの湯の近くにあります。目的地の近くは駐車場はないのですが、道が広いのと夜間交通量がほぼないので車を停める事が出来ます。ただ、トイレ等ありませんので注意が必要です。
2.撮影地の空の暗さ
空は天の川が肉眼で観測出来るほどの暗さはあります。しかし、後ほどの作例写真でもわかりますが、高崎市や軽井沢の光害の影響を諸に受けますので、天の川がある程度昇りきってないと良い写真を撮る事は出来ないと感じました。
北天の方は特段大きな町灯りがなく暗い空が広がっています。
時期的には、天の川が横たわる写真を狙うなら3月から5月あたりがベストではないかと思います。特に3月だと街明かりが少なくなる深夜2時に天の川が見え始めてからの撮影なので好条件で撮影できます。
3.作例写真
ここでの基本構図としては、ネット上で多く上がっていますが、カラマツの真上に天の川のアーチを掛けたり、浅間山から入出る天の川の構図が基本となると思います。
3月の早い時間帯であればオリオン座や春の大三角形とも絡められそうでしたが、今回は到着時間が深夜1時過ぎだったので撮影出来ませんでした。
到着後ロケハンして最初は、シグマ14-24mmF2.8Artを早速使ってみて14mmでさそり座から夏の大三角形を纏めての構図で撮影しました。ソフトフィルターを使用していますのでここではレンズの性能についてはあまり述べられません。今まで使っていたタムロンだと15mmまでしか画角がなかったので1mm広角である14mmだと更により広く天の川を写せました。
ソフトフィルターLeeNo.3を使って星の強調を行っています。ソフトフィルターを使用すると天の川写真の小さな星は潰れてしまいますが、夏の大三角形やさそり座といった明るい星が強調されることによってより、いつもとは異なる星景写真になります。
上の写真だと先ほども述べた通り、14mmで夏ノ大三角形からさそり座を入れています。さそり座はまだ頭の部分だけですが…。あと、右上のさそり座の頭の上にある明るい星は何かというと木星でひときわ夜空で目立っていました。
なお、今回は二台体制なので一台にソフトフィルターを噛ませてもう一台はソフトフィルター無しでの撮影を行っています。
現像につきましては、今回は結構味の濃い?現像にしています。明瞭度とかはマックスでコントラストも上げていますのでやや破綻気味なのでプリントには不向きな写真です。
ちょっと時間を置いて天の川の中心部が昇りきった写真になります。
この写真はEOS6D改+ポラリエを使っています。露光時間は1分ほど半なので拡大するとカラマツの木がぶれてしまっています。
ちなみにSNS等で人気の高い新星景写真は基本的には地上部を撮影して、星は赤動議で上のように長時間露光で撮影したものをPhotoshopなどで地上部と星空部を別々に合成することによって作成されています。
EOS6D改造だと通常のカメラよりも赤い星雲がやや目立つ写真が撮れます。が、改造すると普通のカメラとホワイトバランスの色の出方がかなり変わってくるので現像はやや大変になります。
この写真も自分なりに気に入った色にはなっていますがもうちょっと赤色を出すなら色温度を上げた後に色かぶり補正を細かく調整していくことになります。
星野写真だとこの色の調整が本当に大変みたいです。
それと右にありますやや黄色っぽいのがアンタレスでその周囲には赤、青などの星雲があり、星野撮影では必ずといってもいいほど撮影されている部分になります。色彩豊かなので現像の際にここら辺の色が綺麗に出る様に現像するともっといいかもしれません。
続いてはシグマArt14-24mmF2.8を使用した作例写真になります。
Art14-24mmF2.8の性能は非常に高く周辺流れも開放時においてすくなくサジタルコマフレアもほとんど感じられませんでした。優秀さはタムロンと同等ぐらいだと思います。解像度については個人的な見解ですがArt14-24mmF2.8の方が優れているように感じました。
少なくとも星景写真でのレンズとしてはかなり優れていると思います。
詳しくは次期に公開予定のレンズのレビューで撮って出しのところで紹介したいと思います。
記事公開しました↓
Nikonだと画角が同じ神レンズ14-24mmF2.8があるのですが、Canonユーザーだともう耐久性を気にしないならタムロン15-30mmからシグマ14-24mmF2.8のどちらかを選んだ方がコスパも写りも圧倒的に良いと思います。
タムロン15-30mmとシグマ14-24mmF2.8どちらを買えば良いかという悩みも増えましたが…。
ただ、個人的には望遠側がよりあって構図が作りやすいタムロン15-30mmをオススメはします。
より広角側を攻める人は、シグマ14-24mmF2.8一択だと個人的に思います。
【浅間山と天の川】
浅間山からの火山の火映が撮れるかなと期待していたんですが、噴煙も出ていなく穏やかな状況でした。
火映と星空を人生に一回は一緒に撮りたかったので残念…。
対角魚眼レンズで天の川とカラマツを、ここ最近天の川の撮影では魚眼レンズを使う事が少なくなって来たのでたまにはテイストを変えて使用してみました。
こうしてみると天の川との組み合わせはどうしても似た様な写真の量産になってしまうので使いどころは本当に難しいですね…。
広角ばかりしか使っていないってのもありますので望遠での星景もチャレンジしていきたいと思います。
番外編:夜明けの空を横切るISS (国際宇宙ステーション)
薄明が始まりかけて撤収しようとしてた矢先に遠くの方から国際宇宙ステーションが来てるのが見えて構図とか特段決めずに撮影しました。というかISSが見えるとか全く意識してなく偶然見かけて撮影できたので運が良かったです。
以上、天体撮影記50夜目でした。
今回の撮影は濃い天の川の写真も綺麗に撮れましたし、最期にISSも撮影出来たので満足!
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