目次
前置き
ふとスマートニュース見ていたら下のCAPAの記事での星空(星景)写真の撮り方に違和感と作例写真が綺麗だと感じませんでした。
なので、自分なりの下の写真のような綺麗な星空の撮り方の設定についてはこれまで撮影した経験含めて書いていきたいと思います。
ただ、自分もあくまでアマチュアレベルの方法なのであくまで参考程度でお願い致します。(写真の撮り方については人それぞれなので…)
それといつもはPhotoshopのLightroomを使用して写真の現像をしているのですが、それだと綺麗に写し撮るってところの趣旨とちょっと離れてしまうのであくまで撮って出しの写真で説明していきたいと思います。(WBとかコントラストはカメラ内で若干弄ってる場合あるので多少の写りの違いは許してください…)
それと下記記事での問題点についても勝手に語っていきます。それと今回の記事は決してこの写真家を非難しているわけではありません。
問題点
そもそも上の記事での問題点は星空をどうすれば綺麗に撮れる?って書かれているんですが、作例の星空写真が自分の中ではどうしても全然綺麗に見えません。
星景を写し止めるには、「ISO1600、絞りF2.8、シャッター速度10秒」が露出の基本になる。これでアンダーになるときはISO感度を上げよう。通常の撮影で暗く写った場合はシャッター速度を長くするが、星景ではシャッター速度を長くすると点像にならない。開放F値がF2.8ではない場合も同様だ。例えば、F4のときはISO感度を3200に設定し、シャッター速度は変えないこと。
それで記事を読んでみるとその中に「ISO1600、絞りF2.8、シャッター速度10秒」で星景写真を写し止めるための露出の基本となっていますがこれが問題点です。絞りについては、F2.8で問題ないんですが、問題はISO感度が1600という低感度なのに露出時間10秒というところが一番まずいです。これだと星を綺麗に写し撮れません。通常ならISO1600でF2.8だと30秒以上は露出時間を撮ります。しかし、これだと星は記事通り点像では写し撮れません。
一応上の記事を書いた写真家について調べてみたんですが星景写真の専門家というよりは自然写真家なので撮り方の考えが違うと思うんですよね。
それとこれは主観的な意見ですが、プロは引き延ばすこと前提での撮影、そしてノイジーな写真はなるべく避ける様にしていると思うので、ISO1600や星をきちんと点像に写すという事で「ISO1600、絞りF2.8、シャッター速度10秒」を露出の基本軸となったんだと思います。
ただ、この記事を見る人って結局の所、大きなプリントとかするのではなくSNSや写真投稿サイトなどに綺麗な星空を上げたい人や純粋に星空を撮りたいという人が見に来ると思うんですよ。なので、上の露出時間だとその人達が望んでいる写真ってのは断言しますがまず撮れません。
1. ではどのような設定なら綺麗な星空の写真が撮れるの?
自分なりの星空を綺麗に撮るためには、「ISO3200-8000、絞りF2.8、シャッター速度20-25秒」を基本軸としています。
もちろん画角などによって露出時間は変わりますし、夜空の明るさの状態によってもISOなどを適宜変えています。
これってあくまでEOS 5DMarkⅣやタムロンの15-30mm F2.8を持っているからこそ出来るものであって実際は初級機〜中級機のカメラやレンズも24mm スタートのキットレンズや広角でも最も明るいF3.5ぐらいがメインだと思います。
なので、初級機〜中級機でISO8000まで上げるとノイズが多くなった写真になりますし、明るくないレンズだと星をたくさん写し撮れません。
(最近はEOS 6DやD610、α7シリーズといった少々手を出しやすいフルサイズ初級機が出てきているのでその場合だとISO6400までは耐えられる可能性は高いです。)
なので、ここ2,3年内に発売されたAPS-C機の初級機〜中級機でキットレンズ類を持っている方の設定は「最も広角(基本キットレンズは24mmか28mm始まりが多いのでその画角にしてください)、ISO3200-6400、絞り:開放(一番値が低くなる様に)、シャッター速度20秒」で撮影すれば今まで撮れなかった綺麗な星空の写真がまず撮れます。
超広角レンズ15mmで撮影した時の露出時間による星の写り方と流れ方の違い
TAMRON 大口径超広角ズームレンズ SP 15-30mm F2.8 Di VC USD ニコン用 フルサイズ対応 A012N
- 出版社/メーカー: タムロン
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ちなみに上のレンズの広角側15mmでISO4000で開放F2.8、撮影時間をそれぞれ20、25秒、30秒で撮影したのが下の3枚の写真になります。
露出時間20秒のはすみません構図違いますが今回はあくまで露出時間のみを焦点に当ててるのでお許しを…
露出時間20秒ほどで捉えた天の川
露出時間25秒ほどで捉えた天の川
露出時間30秒ほどで捉えた天の川
上の写真はどれも天の川がはっきりと写っていますが、やはり20秒に比べると30秒の方が星空と天の川をよりよく写しきれています。
それとブログの写真サイズでも星が流れているのは拡大しない限りわかりませんしこれがTwitterとかインスタだとスマホサイズなのでまず星の流れは目に付かないはずです。
一応上の写真の天の川部分を切り取ったのが下の3枚
露出時間20秒ほどで捉えた天の川
露出時間25秒ほどで捉えた天の川
露出時間30秒ほどで捉えた天の川
拡大したら秒数が上がるにつれ星の流れは目につきます。
それに30秒でも余裕じゃんって印象も持たれるかもしれませんがこれはあくまで超広角レンズとネット上に上げる写真に限ってです。
実際に露出時間30秒で撮影した写真をA4プリントするとかなーり星の流れが目立ちます。なので、画角15mmの場合はギリギリ目立たない25秒もしくは安全パイを取って20秒に、タムロンの超広角レンズは30秒まで行けるのでその場合は20秒で撮影しています。
が!
露出時間を必ずしも固定して撮影しているわけではありません。自分は構図を決めたら露出時間を20秒や25秒、30秒など色々変えて撮影しています。もちろんISO感度もです。※絞りは基本的にいじっていない
そうすることで現像時においてこの露出時間だと駄目だなぁ、このISO感度高過ぎて使えないもうちょい低く撮れば良かったていうことが無くなります。なので、固定するというのは撮影後の選択肢を狭めるので臨機応変に決めるのが一番かと思います。
(ISO高すぎる時に火球くらすの流星が入った!とかはもう運が悪いので諦めましょう)
2. レンズヒーターは星空撮影の必需品か?
記事内ではレンズヒータの必要性が述べられています。
ただ、一枚撮りで星空を撮る際は必ずしも買わなくてもいい品物です。
結露したらむしろ
FUJIFILM レンズクリーニングペーパー LENS CLEANING PAPER 50
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こういったレンズクリーニングペーパーでレンズ前玉を吹いてあげれば解決です。
ただし、もし下の写真のような星の日周運動を撮る場合だと何枚もの写真を撮って最終的に比較明合成で重ねるので途中に結露すると台無しになります。
そう言った場合に備えてレンズヒータは買っておいた方が無難ですが、必ずしも買わなくてはいいとは思います。
3. 広角レンズで星空を目一杯に綺麗に撮る
これは間違いありません。超広角レンズであれば天の川を多く写し撮れます。なので、星空を狙う人は超広角で明るいレンズを購入することはオススメします。
特に下の二本は自分も愛用していて撮影の際は常に使用しています。
シグマ SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM※キヤノンマウント 14-24MM F2.8 DG A EO
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TAMRON 大口径超広角ズームレンズ SP 15-30mm F2.8 Di VC USD ニコン用 フルサイズ対応 A012N
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もちろん星空を撮影するのに関しては、超広角レンズがすべてではありませんが最初に撮るなら超広角レンズを使った方が自分の撮りたいものが撮れると思います。
まとめ
ちょっとCAPAの記事を自分の設定とか思っている事について勝手に語ってしまっていますが、必ずしもこの設定が正解ではありません。夜空の明るさの状態や画角の違い、レンズの違い、カメラの違いともう選択肢はたくさんあります。
なので、上の設定の値を参考にして自分なりに試行錯誤しながらどの時にどんな設定をしていけばいいかを決めて行くのが一番いいと思っています。
こればかりは数をこなすしかありませんが…。でも今回紹介した設定にすれば必ず綺麗な星空は撮れると思っていますので、初めて星空を撮影する人は試しに撮影してみてください。
それで、綺麗な星空が撮れて喜んで頂ければ幸いです。
あ、あと星空を撮るばかりではなくて星も観てください。
一番の記録は自分の目に焼き付ける事だと思っています。
それでは楽しい星空ライフを