前回:
天体撮影していると流れ星を良く見たり、写真に写ったりしますがよ〜く見てみると「あ、これ流れ星じゃない」ってのも結構あります。そんな、よく流星と勘違いされるのを下にピックアップしました。といってもそんなに種類は多くないですけどね。
上記の三つが初めて天体撮影を行った人が間違えやすいものだと思います。
1,2つ目はそうそう間違われにくいですが、初めて星空を見上げると結構勘違いする人が実は多いんですよね。
特に3つ目のイリジウムフレアに関しては、見た目流れ星とほぼ一緒みたいですから間違えるのは無理もありません。
丁度、前回の燕山荘で撮影していた写真に都合良く本物の流星、飛行機、人工衛星、イリジウムフレアが撮影出来ていたのもがあったので参考で紹介して行きたいと思います。
まずは、本物の流星写真から
流星写真
流星はそもそも宇宙に存在する小さな粒子などによる塵(彗星等により発生)が地球の大気圏に突入する時に発生します。そのため、多くの流星が見られる流星群などは、彗星が残した塵の帯を地球が通ることにより大量の塵が地球に飛び込んで起きる現象です。
粒子の大きさは、数ミリ程度から数センチ程度しかないです。ただ、どうしてそこまで小さな塵があのように綺麗な光跡を見せるかというと流星の速度が秒速数kmから数十kmと早い速度で大気に突入し、上層の分子と衝突してプラズム化することによって発光すると言われています。
下の写真が前回の燕岳での天体撮影でもご紹介したペルセウス座流星群の流星になります。
赤枠を拡大してみると…
このように綺麗な色をしたものが流星になります。花火と同じく炎色反応によって色が変わると思っていましたが、このような緑色になるのは、流星物質が地球の酸素の禁制線の発光によって緑色になるらしいです。ちなみに赤色になるのは窒素が原因だそうです。
さて、本物の流星を写真で見てもらいましたので、次に流星に間違われやすいものを紹介していきます。
1.飛行機
まず、初めに飛行機。夜空をあまり見上げてない人だと飛行機の光を流星だと間違う事がよくあります。基本点滅してずっと光っているのですぐに気づくことが出来ます。
ちょっと見にくいので赤枠を拡大…!
こんな感じに写っています。飛行機は赤い警告灯を両翼に付けて飛んでいるので写真で撮るとその警告灯が周期的に点滅して写っているのがわかります。また、色はほとんど赤なので、流星と間違われるということはそんなにないですが、天体撮影や観測が初めてだと結構間違ることもしばしばあります。
2.人工衛星
上の写真じゃものすごい見えにくいのでこちらも拡大
拡大すると白い流星っぽく写っていますがこれは人工衛星になります。
空が真っ暗なところはこうした人工衛星が結構写っています。小さな流星だと思われても致し方がないですが、こちらも流星と違い写真に連続的に写っているので見分けを付ける事が出来ますね。本当に空が真っ暗だと夜空を見上げると星が移動しているみたいなのが見れますがそれが人工衛星になります。人工衛星が写る&見れる空はかなり暗い空だと思っています。
3.イリジウムフレア
このイリジウムフレアってのが一番流星と間違われやすいです。
イリジウムフレアとはそもそも何かというと衛星フレアと別名呼ばれていて、人工衛星のアンテナや太陽電池のパネル等などの光を反射するのに太陽の光が当たって、金星なみの明るさ並に光ります。
実際の写真は下の様になります。
拡大すると
この写真を見ると確かに流星と間違われても仕方ないです。ただ、通常の流星と違い色が白なので慣れてくると見分けがつきやすいです。
ただ、イリジウムフレアもそうそうに撮れるものではないので写真に写ったらラッキー程度と思ってもいいかもしれません。(イリジウム衛星のイリジウムフレアが発生するタイミングを計算するサイトがあれば狙って撮ろうと思えば撮れます。)
まとめ
というわけで今回は本物の流星と間違われやすい三つ(飛行機と人工衛星とイリジウムフレア)をご紹介致しました。初めての天体撮影や天体観測の時にこうした情報がお役に立てれば幸いです。
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